W  O  R  K    D  I  A  R  Y

2003/8

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8/31 夏
今日は8月の終わりの日である。外部の壁を納品してきた。
ブロック状のものを積み重ねたような壁である。
ところどころに隙間や棚板を設けた木の壁である。

「ランダムに木を積み重ねた壁を作れないか」Aさんの依頼で製作。どうしても今日までに完成させてほしいとの希望であった。

8月の最後の日の今日、Aさんと組み合わせを考えながら施工した。今日という日を特別に感じているAさんとデッキの上で汗をかきながらの作業は、この僕にも夏の終わりを知らせてくれた。

明日、フランスへ行くAさん。
2年後に日本へ帰ってきたら、またいっしょに仕事がしたいと言ってくれた。
では、また2年後。


8/26
今月も、もうすぐ終わる。夏らしい天気がここ数日になって続いていて、調子がくるうなあ、、。
来月から、僕らのお店作りを再開する。今、その準備に夜な夜な時間を費やしている。
迷いはない。やっと迷いがなくなった。
いろんな思いが巡る。費やしてきた時間と、何もできずに過ごしていた時間。僕の気持ちは、1年経過した今だから、すっきりとわかる気がする。実際、仕事が手につかん程、お店作りに迷った時もあった。それでも家具の注文を、いいかげんにできない自分に腹立たしささえ覚えた。そんな自分は最低だと思い、日々の家具作りに没頭し、逃げ場として落ち着かせていた。
工房は逃げ場じゃあない。大切な工房である。大事な生産場だ。
そしてお店は、僕らを勇気づけてくれる子供のようなものかもね。
うんうん。ただただ、がんばる。がんばるよ。


8/18 wide chest
オリジナルのワイドチェト。ネットで注文頂いてから製作した。オリジナルといっても量産している訳ではないので、受注生産となる。僕らの家具は量産はできないんだなあ。

引出しの底板、本体の背板もウォールナットの無垢材で作っている。
部屋のどこに配置しようが、恥ずかしくない。背中側は裏ではなく、別の表である。

間もなく出荷する。


8/17 desk
ネットで注文頂いたデスク。使用目的、サイズ、収納など希望を聞かせてもらいデザインする。設計段階で具体的に伝えにくい、木の表情やボリューム感、家具としての質、バランスなどは、やはり家具となった存在の前に立ってようやく体感できる部分である。

だから、懸命なのだ。

感動するほど綺麗なデスクが完成した。間もなく出荷だ。


8/12 arm chair
先日納品したアームチェアである。先月作らせて頂いたキッチンのダイニング用である。
今日はキッチンのシンク下の扉を取り付けに行き、全て完成という事となった。
今回は白いキッチン+カウンター+ダイニングが一体となったアイランドタイプであった。キッチンをリビングとして活用しようとした場合アイランドタイプも検討するのもいいかもしれない。
詳しい説明はこちらで
G house kitichen


8/11 出来上がってくると。
家具は完成するに従い、ボリュームが増す。ワイドチェストは2000mmの大きさ。デスクは1200mmの大きさ。
それに以前から製作しているクローゼット1800mmとたんす1800mm。タイミングが重なり全部が箱として工房に存在しているのが今日の状態である。引き出しや扉は加工中なので、家具達は中身はないカラ箱である。工房は賑やかだ。段取り魔になって全体を把握する僕は、汗も多い。
夏だなあ、、。
昨日湿気できつかった板が今日は乾燥してゆるくなっているこんな季節も考慮しながら、家具を作っていく。
hwbとしては今年の夏は、まだ始っていないんだけどなあ、、、。


8/8 現場採寸
「お店に行きたいんですけど」とたまに電話がある。でもまだお店はできていない。オープンが遅れている事情を説明しそれでも、どうしてもという場合は来てもらっている。で、先日の話。
去年にエビスビルで展示していた青のソファが欲しくて、エビスビルに行ったんだけど、hwbはもうなくて、、、。
「エビスビルの展示が終わり、今、ショールームを守山区に作っているんです。もう1年近く改装したりやりなおしたり、、、。」
そうだよ、あれからずっとつながっているんだよ。時間はつながっているんだ、、と実感する事となった。
改装中のお店には、あの青のソファは置いてある。よかったらおいで下さいと伝えた。
それから2週間後、電話で話した夫婦(もうすぐ)の二人は訪れた。
このソファのためにお金をためていたという事を話してくれた。ものすごく、うれしかった。
工房が併設してあるという事は知らなかったみたいで、作り手である僕らに気付いた2人から、いろんな相談を受ける事になった。
今度住む、キッチンのカウンターを作れないかという内様である。
話をすればする程、そのカウンターを作ってあげたくなっていく。
理由は単純だ。僕らを求めてくれているからである。

お店作りもしたいが、ほっとけない。


8/3 ネットで
製作しているのは、ワイドチェストとデスク。ネットで注文頂いたものだ。
ワイドチェストはオリジナルのもの。デスクはオーダーメイドデザインだ。同じブラックウォールナットでの製作であり、工房のカンナくずは黒い。ウォールナットは艶のある仕上げが良く似合う。僕らは材料によって、仕上げ具合を選択している。
それに似合う仕上がりがあるからだ。
この季節の工房は暑い。湿気の事も意識しながら暑さと格闘している。暑いからこそ集中して充実できた時間は、これまた格別である。水分補給をしながら汗をかく。汗だらけだ。
だから、材料と機械に汗が落ちないように注意しなくてはならない。機械はシンプルな構造であり、鉄だ。錆びてはならぬと油をふく。微妙な錆が精度を狂わすからだ。
材料は特にカンナをかけた後は十分な注意が必要だ。
家具となってしばらくした後に、しみが生じかねないからだ。
とにかく、8月は濃い季節である。

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