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2003/7

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7/30 living
リビングの家具を納品。1800mmワイド2台と900mmワイドコナー部からなるL型ソファである。
ゆったりしたこのソファは十分寝ころべる。脚は4本のウォールナット。少しだけ見えるように木部の見え方にこだわる。
センターテーブルはホワイトオーク。ナラ材より大味であるが、雰囲気は良い。センターテーブルは1000mm×1000mmサイズである。
900mmサイズでない理由は、全体のバランスを考えた故。

西日の入る快適なリビングである。
夕方に、音楽でも聞きながら時間を忘れてみたい。
僕らは、自分達が作る家具が大好きである。だから、ため息がでる。


7/27 kitchen
昨日、今日とキッチンの現場取り付けだ。とにかく3400mmのワークトップがキズ付く事なく搬入が出来た事が何よりだ。今回は現場での床に合わせたレベル出しに時間を要した。
取り付け終了後、ステンレスの養生をめくるカツキとソウタはニコニコだ。
この瞬間はたまらない。きちんと作ったキッチンだ。そりゃ、たまらない。

明日、アームチェアとカウンターチェアを完成させるぞ。


7/22 きちんとキッチン
さて、もうすぐキッチンの現場である。先月から取りかかっているキッチンと、リビングのソファやテーブルなどの納品と現場が迫ってきた。今回製作しているキッチンは3400mmの大きさのあるアイランドタイプ。僕らの作らせてもらうキッチンでは、ステンレスのトップからシンクまで全て作っているので(ステンレスは業務用冷蔵庫の扉などを製作しているステンレス屋さんに板金してもらっている、芯材となる木部製作とサイズ出しは僕らが行う)、ホントに自由なサイズで仕上げる事ができる。
だから、木部とのサイズ誤差もこちらで全て調節してしまうので、逃げのないデザインができる。ただ、その分慎重なサイズ出しが必要ではあるが。
僕らは家具屋であるから、家具としてキッチンも作っている訳だ。ただ、置き式の家具と違う点は設備工事などの木工とは違った部分が含まれてくる事である。設備の施工に関しては、水道屋さんや電気屋さんにお願いはするものの、設備機具はこちらが持参していくという形をとっている。理由は、キッチンを製作していく時に、設備の実物があると、より完成度の高いキッチンを作れるからである。実際、機器施工説明書には、当然ある程度のクリアランス(逃げ)を確保しながらの施工方法が記載されている訳だから、隙間前提の話しなんだろう。その部分を、実物の機器を測定しながら家具(キッチン)を作っていけばより攻めていける訳だ。
それに、微妙な位置関係も把握しやすい。設計からやらせてもらっている以上最初から最後まで把握し、きちんと家具にしたいのだ。別に特別変わった事をしている気はしない。単純に自分達の作る家具をよりよくしたいだけである。
順番に作ってきた箱や扉がキッチンとして機能する日はもうすぐである。楽しみだなあ。


7/18 納品
現場取り付け終了し、納品も無事終わった。
ガラス小物を作っているガラスメーカーの社長さんのお宅である。
ディスプレーのできる収納。そして階段として使用できるもの。

階段として、収納として機能を発揮してくれる事と、ディスプレーした小物や植物がより活力を与えてくれるようになる事を願っている。

階段、収納の画像は
こちらで。


7/17  現場

階段棚の納品だ。現場である。今日は晴れ時々曇り。マンション12階への搬入。平日の午前という事もあり、エレベーターも利用できたのでスムーズな搬入ができた。もし、雨ならば2倍は時間がかかっただろう。明日も引き続き、家具の取り付けである。
今日のメープル材の重さと堅さはインパクトドライバーの購入を決意させる事となる、、、。


7/14 ありがとう
僕は僕の経過に感謝する。
過去の自分ががんばったから、少し広くなった工房で家具を作っている現在がある。
この事に感謝する。床で片膝を付いて刃物を研いでいた頃、いつか立って刃物を研げる場所が欲しいと願っていた。
今は、立って研げる場を設れている。仕事が終わり風呂も入り、昼間とは違った時間の速度の中で刃物を研いでいる。
スタッフのカツキとソウタは、仕事が終わると、夜の工房で小物を作ったりするようになってきた。
残業はなるべくしない。夜は、明日へつながる希望の持てる時間にしたいからだ。
明日があるんだ。


7/13 納品前
もうすぐ、納品だ。現場だ。
壁面階段棚。そしてキッチン達。
オープンしていないショップスペースは納品前の家具で溢れている。
時間がかかった。数も多いので段取りが大変であった。設計でのミスはないか、納品終わるまで気にかかる。
現場の採寸を間違えていないだろうか、、、間違えている訳ないのに心配するのは、作ってきた時間の重みのせいだろう。
責任がなければ、味わえない感覚だろう。


7/12 梅雨2
今年の梅雨は、すごいなあ。
雨が降り続き、ドアもこれ以上閉まりにくくならないだろうと思っている。
じわじわと動く、じわじわと木が膨らんでいるんだ。
1mmあった隙間が今では0.5mmとなって、扉をスムーズに閉めれなくなっている。このmm単位の動きは、僕にとって何メートルにも感じる程、ガツンとやられた。くそー。くやしい。


7/7 梅雨
毎年、この季節になると梅雨の事を書いている気がする。ジメジメとしたこの湿気の多い環境は、家具を作る上で大きく影響を受けてしまう。肌にまとわり付くようなジメジメとした湿気は、材木を膨張させる。工房の両開きのドアは膨らみあって、閉める時にコツっと当たる。閉まらない程ではないが、1800mmの幅の両開きドアの中央の隙間は確保してある。框組みのドアなので、収縮は少ないが、それでも隙間は季節によって0mm〜2mmと変化する。
引き出しもそうだ。これも凄く複雑な理由によってきつくなる。部屋の環境、空調、置き場所とあらゆる状況による違った変化をしている。梅雨時期は分かりやすい。
簡単に解決する方法は、ゆるくガタガタにしてしまえば良い。でも、それでは逆に引き出しの滑らかさや納まりに納得がいかない。
そこら辺のせめぎ合いなんだなあ。
紙1枚の厚み程度の範囲で調節するんだもんねえ。

先月から製作しているキッチンも大分出来上がってきた。キッチンという事もあり、引き出しはスライドレールなどの金物を使用している。引き出しを削って仕込むタイプとは違うので、むしろ引き出し事体の製作よりも、金物の取り付けの方が手間と感じてしまう。大きい許容範囲のある便利な金物は、僕ら職人の技量なんてそんなに関係ない。確かに便利ではあるが、、、。

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