hwb work diary 2009.4

4/30
10年っていう時間は、それなりに長い時間なんだなあと思っている。
あっと言う間に過ぎてしまい、いつのまにか10才年をとった。

じゃあ、10年たって残っているモノって?って聞かれるとあまりになくて驚く。
残っているモノで今も大切にできるモノってホント木の家具ぐらい。家具がいいのか木がいいのか、、。
まずは、木がいいんだろう。それは木のパワーだろう。オークのデスク。チェリーの本棚。形は言わずどもイメージがわく。ミズ楢の袖机。山桜の書庫。私たちの生活には、そういうようなイメージがかかせない思う。それはそのモノの形や機能とは別で、古くから言い伝えられたような神話や知恵だったりと、イメージである。
実際に木を削ってみると、桜と楢では、まるで堅さも重さも違うことに気がつくと思う。そして何より香りがまるで違う。あまい香りのする木は多い。みなさんのところで、家具となって使用されている時点では、香りも少なくなっていて、既に素材から家具という道具になっているので、素材っていうほど意識はしないと思う。
それでも、気づかないほどのかすかな香りに、体は反応していると思う。たぶん。
どういう訳か木の香りに体の奥のほうが反応している気がする。人間の脳は、解明されていない部分が多いらしい。太古から刻まれた記憶やイメージが脳の奥深くに刻まれているとして、視覚や臭覚や触覚や聴覚や味覚によって脳が刺激を受け、心が心地よいと反応しているのかも知れない。

今、はっきりと言えるのは、生活にゴールがないのと同じように、家具づくりにゴールは存在していないということだ。



4/26
昨日の雨があがり、よく晴れた爽やかな天気だった。気持がいい。自然の恵みである。
大きな空を動く爽やかな雲、そして軽く湿度のある風、生命を感じる。

今日は打ち合わせが3件ほどあった。昨日と合わせると7件の打ち合わせをしたことになる。全て真剣にそして楽しく挑んでいるので、日曜日の終わりには、心地の良い疲れを感じながら休日に入るということになる。
何事も一生懸命行えば、充実した日々を過ごしていける。一生懸命、楽しめばいいじゃないか。

画像はまったく関係ないが、チェリー材の家で使っている家具。10年くらい共にいるが、収納するものは、頻繁に変わる。今はリビングに置いてあいるので、お気に入りの器入れになっている。そんなのを眺めているだけでとても心地よい時間になる。今日を素敵にしていこう。



4/25
今日は打ち合わせがある。オーダーメイドのテーブルのプランを打ち合わせする。
プランといっても、僕の場合、既にしっかりしたもの、要するに製作できるリアルな寸法などまで構築したものである。

どのオーダー依頼でも、これだと思えるものを提案するまでに、しっかりと時間がかかってしまう。
どんなに忙しくても適当にすることはなく、その家庭にとって、その人にとって、どんな家具が良いんだろうと、図面や空間を使って想像する。



4/24
明るく前向きにがんばっている人程、実は大きな悲しみなどを背負っているんだろうと思う。
話した瞬間から悲しみが漏れだしてしまいそうで、心の糧としているかもしれない。

悲しい事件などがあると、本当に残念に思う。
子供には何も罪がなく、親の所有物ではない。神様から預かっているのだと思う。



4/22
中川区まで仕事に出かける。キッチンの取り付けである。
中古住宅を購入され、それをリノベーションというのか、リフォームされている。設計士ということもあって、プランはさすがだなあと思う。
それにしても明るいのはいい!気分が軽やかになる。

コンクリートを土壁で仕上げた後、もう一度見てみたい!



4/18
昨日試作したソファを再検討する。今日はお店があるので、続きの作業がスムーズに行えるように準備して仕事にきた。
昨日の試作でなんとなく違和感の残る部分があった。記憶が鮮明な昨日のうちに、改善ポイントを見つけておいた。おかげで夕方には、95点ぐらいまで到達した感がある。あと、もう少し!

妻が育児のため、もっぱら僕がお店に出ている訳だが、今日は夕方までに4組のお客さんの相談に答えた。結局は、妥協をしない選択をすることが、将来にわたって後悔させない事につながっているとわかっているだけに、今の選択に妥協はさせたくない。
高価な材料が良いということではないし、高価なものがベストな選択とも思っていない。
「これっだ!」と思うモノと出会うことの胸の高鳴りとそれを受け入れた時の人生の達成感と希望は大きいと思っている。だから物を大切にできると思うし、語れると思う。機能だけを求めるのであれば、もっとすぐれて安価なものはあると思う。でも人生にロマンはかかせない!



4/17
朝、昨日のモデルを再確認し微妙な調節と判断をし、モデルの活躍はここまでとなる。午前中、採寸と打ち合わせに出かける。チェストなどのご相談を頂いている。キッズ用のクローゼット的な家具もご相談を受け、ひらめく、あふれるアイデアをお話しし、とても楽しく打ち合わせをさせて頂いた。
帰りに、鉋屋さんに、預けていた道具を受け取りに。いつもの、ちょっとした立ち話をさせて頂き、その分、小さな道具を購入する。「そうかあ、やっぱりナラ材が好きなんだあ。」と、ベテランの職人とのふれ合いは、いい刺激を与えてくれる。

工房に戻り、ソファの試作!
と、いっても昨日とは別のソファ。これも、また思い入れが強いソファなので、楽しみである。



4/16
ソファのモデルである。
姿を確認するために、段ボールにてモデルを作る。もちろん、座る部分は本番と同じ構造にしてあるので、座れる。座りやすさの蓄積したデータ(角度やサイズ)を実際のスケールモデルにして、座って確認する。いいねえ〜、間違いないな!


アームの奥行きや高さ、ボリューム感、座った時の包まれ感などを体感する。
ゆったりした座りごごちのソファである。
やさしいイメージの中にも、キリっとした印象を大切にしている。



4/16
チェスト納品前。

最近、自分でも驚くほど、良い結果が出る。全て任せて頂く機会が増えたこともあると思うが、
何より、経験が蓄積されてきたんだなあと実感する。過去の体験と技術力。そして探究心と判断力。オーダーメイドの依頼に、チャレンジしてきただけの事はあるなあ、、、と。作りたいものが、手のひらから湧いてくる感じ。とはいっても、今でも試作や研究の前準備は必要だし、そこら辺りでの葛藤はすごいけど。
「みやちゃんは、いつも自画自賛だなあ」っていつも笑ってくれるお客さんとは、もう長いつき合いである。
依頼して頂く方にとって、本当にいいことはなんなんだろうと考えていくと、僕がいいと思うことを最大限発揮していくことだと思う。



4/10
今回は奥行きが50ミリ大きくなったチェストである。脚はスチールで、自然な仕上げにこだわった。

最近は、いろんな素材を取り入れて試みている。
出来上がる家具の幅が広がったようだ。



4/8
今日は、自宅の取材の日であった。
自宅を設計して頂いたのは、宇野友明さん。キッチンや造作家具の製作を引き受けているので、求めている仕事の品格のレベルは高さは良く知っていた。
宇野さんは、本当に味わいのある建築を建てる人だと思う。
いつか、僕の目線で撮影し、紹介したいと思う。
僕の作る家具もそうであるが、写真より実物の方が断然良い。素材感や空気感を大切にしているというのもあるが、視覚だけではなく、体全体で感じる良さが多いからだと思う。意識している時間軸が長く確かなものが少ない時代でも、なんだか、安心して頼れそうである。

僕も、今まで以上に自分が生み出す家具を大切に、真剣勝負をしていきたいと思う。
また、逆に建築と家具の役割の違いも多少はわかってきたような気がする。



4/7
入園式。
上の子は、今日めでたく幼稚園に入園となった。
親として子供の成長は本当にうれしいものである。

僕も、下の子を抱っこして、入園式に出席した。
期待と不安。まさにそれは人生だと思う。
それぞれが、自分らしく生きていく幸せを感じて欲しいと願っている。

どんな時も、心だけは豊かでいて欲しい。そう、願っている。



4/5
ハードメープルのデスク。立ててある状態である。

厚みのある板を使っているので、かなりの重量になっている。

もちろん、二人で持ち上げれる程度だが、その重さはずっしりとしている。



4/3
引き出しの仕切りである。
いつもは、木やステンレスの板状の仕切りをいれているが、今回は新たな試みである。
仕切りを入れるまでもないが、あると便利だろうという微妙な位置だったため、何かいい方法はないかと考えてみた。

ステンレスの丸棒を曲げたものを、抜き差しできるようにした。
なんとなく仕切る感じが、今回の用途に向いているような気がする。

奥にあるのは、革張りの椅子。水でビタビタに濡らしながら、張ったのは一昨日であるが、まだ乾いておらず、革は水分でしっとりしている。相当水を含ませながら張っている証拠である。



4/2
オーダーメイドの家具を考えていると、僕に問われている様々なことが、スッキリとしてくる。
必要なことは何か、大切なことは何か、、、。

僕しかできないことがある。
愛情をどこに注いでいるのか、そこである。
人との関係、自然との関係、時間との関係、
もっとも大切なのは、今である。



4/1
僕は春があまり好きではなかった。春の穏やかさ気持ちよいが、何かの実感が足りないと感じていた。緊張感を欲していたのだと思う

でも今年は違った。身の回りの状況がそうさせていると思う。

春はとてもやさしい。





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