hwb work diary 2008.4
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4/20
今日で、ソウタは独立をしていく。もともと教え子だったソウタ。それを含めると、7年間の歳月である。
何もできない若者が、仕事レベルで家具作りを行なうようになったという事実は、経験は最大の力であると痛感する。
身につけた感性と技術。そうそう簡単に真似できるような表面的なことでない部分が多いだろう。
飽きもしないで、変わらずやり続けていく者だけが、本当の自分の未来へ進んでいける。
変わるべきことと、変わらないこと。
高知県と、場所は変わるが、似た者同士、変わらず家具を作っていけると信じている。
この5年間、カツキをはじめ、教え子をスタッフとして受け入れていた。
これからは、もう少し視野を広げ、仕事をともに楽しむことに重点を置きたいと思う。
この春でスタッフが入れ代わる。
そして僕は、家具作りを、心から楽しんで、そして真剣に向き合っていく。とても楽しみである。
4/19
久しぶりに、現場である。
去年の夏に取り付けた、下駄箱。
現場は、まだ完成していない。
珍しく耳付いた天板の家具にしてみたが、久しぶりに見るこの感じは、なかなか良い。
耳が付いているが、テキトーではなく、品がある。
我ながら、やってみれば、そのセンスもなかなかではないかい?と実感した。
木都合と、建築の都合とを、絶妙にコントロールし、折り合いを付けるのが、難しいのである。
これはイメージを大切に持っていないと、とても不細工か作為的になる。
自然相手ってのは、むずかしいのうっ。
4/18
宇野さんが、10年以上前に建てた建築を見させて頂いた。
実に良かった。
シンプルで、深い。
物の価値っていったいどこにあるのだろう?
僕の場合は、現代の価値感では計れない。
素材を大切に、それを活かしたモノ。空想でも、絵でも、写真でもなく、現実の重さのあるモノである。
そして、日常の変化を受け止めるだけの、たくましさ。変化を殺さない簡素なデザイン。
4/17
すっかり新芽がでて、緑のボリィームが増した。
雨もよう。
深く息を吸い込むと、湿度が心地よい。
外が気持ち良い。
緑のワサワサを体感し、「いよいよ活動しだしたなっ」、などと思うのだ。
そして自分も力みなぎるのだ。
4/14
クルミ材で製作している建築造作家具も、先が見えてきた。
まだゴールまでは遠いが、先が見えた。
お店の家具を隅によせ、オイル塗装を施す。
乾燥したものから、順に保管場所へ移動する。
移動すると次に進めるだけの、余白ができる。もちろん心にだ。
心に余白を。
誰の評価も期待していない。
なぜなら、僕が、信じているのは、遠い記憶の不確かなイメージである。
現代のこの周辺にある価値観などは、むしろどうでも良い。
言葉は大切であるが、もっと大切なのは言葉にできない感情だと思う。
4/8
確実に形になっていく。
家具作りは、地道な作業が多いが、数日格闘すればしただけの成果が、目にみえる形となってくれる。
もし、中途半端な状況で、常に完成を実感しないままに、毎日を過ごしていたら、僕は耐えられないであろう。
終わりまで、きちんと自分の任せられている仕事をやりきる。
それが、職人というものだと思っている。
ずるいことだけはしたくない。
自分のために。
4/1
ホリーウッドバディー、10年目の春である。
10年。
変わるべきことと、そのままで良いこと。
大切なことは、仕事に情熱を注げている毎日である。
愛している家具作りを、より一層シンプルにしていく。
作りたいものを作っていく。
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