hwb work diary 2008.2



2/23
オリジナルの03チェア。14脚を製作する。
6月までの注文頂いている分である。また7月になったら製作するが。

無垢の仕事は時間がかかる。素材を選びながら、常に判断しながらの手間仕事である。
とても素早いペースで製作していても、手間な工程が多く、省ける無駄な事はないかと、考えたりする。

家具の場合、木目やくせを活かし適材を選ぶと言う事が、それなりに物の出来やその後の使用感を左右する。
ワレやあてなどを使用すれば、壊れる事も多い。



2/22
今日は温かく、全員揃っていたので、豆まきをした。

ずいぶんと、遅い豆まきである。
今年、僕は年男である。穏やかな時間を久しぶりに感じたような。
予定どうりというか、とにかく忙しく、毎晩遅くまで製作して進めている。

「仕事を楽しむ」なんて簡単に言いたくないが、好きな事を仕事にしている以上、真剣に楽しんでいる。忙しくがんばっている訳で、「楽しまないと」と人に言われると、とても嫌な気分になる。
もちろん十分すぎる程、木と格闘し、自分の道具と相談し、どこまでやれるか格闘している。
結局、めんどくさいことを、技によって形にし、物を作るのは職人で、その姿を見なければリアリティ−なんてある訳ないし。
今でなく、10年後20年後を見てる職人だから、今を修行とがんばれる訳で、その「大変さ」だけを取り上げられてしまうと、辛い物がある。

僕らには、とても幸せな瞬間がある。それは、ひとつの物が出来上がった時だ。自分の手を握りしめ、「できたー」と。誰がなんと言おうと、やりきった分だけの喜びがそこにある。職人だけがもつ独特のプライドである。



2/15
キッチン取り付けに現場へ。
天板が重く長いので、いつも以上に搬入が大変であった。抽き出し類と吊り戸棚は、後日取り付けである。

今日は、まだ暖かかったので、集中しやすい環境であった。
とてもスームーズに作業は進み、大きさのわりにシンクまで取り付け、夜には取り付けは終了した。
暗い現場で頂いた肉まんは、なんだかとてもうれしく、心が暖まった。
がんばって!
現場に取り付けるような大きな家具は、単体の置式家具に比べ、製作している時間以外の時間が結構かかる。



2/17
朝、抽き出しお納め、完成となった。
工房でなくここにあるべき家具である。
だからこそ、この場に納まった時に、良さは実感できるのである。


空間を変えてしまうような大きな家具を作るには、普段の家具とは違った責任を感じるのである。


夕方、今日も面接をした。
20名、できるだけ会うようにしたいと思っている。



2/16
クローゼットの取り付けの後、午後からTVシェルフの納品。
クローゼット取り付けはとてもスムーズに行なえた。床、壁、のレベルがとても良かったからである。一部、抽き出しを再加工する必要が発覚した。

今回のTVシェルフは、コウシのピッチが細かく、ブラックウォールットとの相性が非常に良い。
納まった家具は、「これからの生活をとても気持ちよくさせてくれそうな」そんな共通の良い部分を持っている。そして、ともに年月を過ごす訳である。

tvシェルフの前にある椅子は、古いものである。材質は注意深く見ないとわからないが、ブナである。ラワン?オーク?と迷ったが、おそらくブナであろう。

座面の座グリがあるため、方向が出来る。その結果、脚をかけてしまう、貫のみ丸く削られている。4本ある下部の貫のうち、その1本だけである。
これである。無垢材の愛らしい部分は。
いたって普通の構造で、誠実に作られたこの椅子。何人の人に座られてきたのだろうか?

夕方、今日も面接をした。



2/15
リノリウムを貼る。プレス機で圧着させなくてはならない。
輸入したリノリウムである。とても魅力的な素材だ。そして、なれない素材である。

チェリー材で本体を作り、リノリウムのトップと合わさり、デスクとなる。
魅力的であるが、手間がかかる。

ん?手間がかからなくて魅力的な物はあるのだろうか?



2/14
一晩、寝ずに看病したせいか、子供の熱が下がった。寝ずの看病のわりに、不思議とまったく眠くない。むしろ元気。

ナラ材のキッチンを、予定どうり完成させるべく、框面材を組み立て仕上げていく。
このキッチンは宇野さんの依頼である。
今回は一枚板の厚みのあるオーク材の天板である。反りをなくし平面の出た状態で材料は入ったものの、刻んで、天板にするまにいつも以上に時間を費やした。
それでも、仕上がったオークのキッチントップを眺めて「この存在感は格別だ」と話す宇野さんを見ると報われる。

確かにその他の面材も、この天板に合わせ、堅い部分を選びだし物にしている。
その分、加工中に「カッテーッッ!」とついつい言ってしまう。



2/13
夕方、仕事をほったらかし、39.2°の高熱でぐったりした子供を病院へ急いで連れて行った。
急いでもしょうがないが、急いだ。

2歳児なので、抱っこである。途中、震えながら嘔吐。

なんだかかわいそうである。
薬をアイスクリームに混ぜ、食べさせた。



2/9
雪が降る。納品予定があったが、ちょうど延長になってタイミングとしては良い?


そんな中、来店されるお客さんは、タイヤが違うのでしょうか。
名古屋では、雪が積もるのはめずらしい。一年に2日程度である。


夕方から、スタッフの面接もあった。
これからからともに切磋琢磨できるような人と出会える事を願って、時間を作り、面接をしている。



2/8
エクステンションテーブルの構造。

いつもそうだけど、物として成立する構造を考えるのが、大変である。

常に、そのパスルと格闘してきた訳で。なんらかの正解に辿り着く。

「正解」「正解」「正解」である。

すごい事なんだろうと、たまに気が付く。でも、そんなことは関係ない。
何かと、比べる必要なんてなく、創造し続けるだけの事である。



2/7
スタッフ募集の事で、メールが増えた。そう、仕事が増えた。順に返信したり、、、結局、会って話してみないと良くわからん。慌てて探している訳でもない。仕事を楽しめるメンバーでないと、未来の仕事まで腐っていくから、いい出会いがあると、うれしい。

作る素質、段取りをする素質、希望を描く素質、現実にする素質、、、、重要なことだらけである。
でも想像力と行動力のバランスであって、そんなに難しい事ではないが、素質がないと大変である。



2/6
クローゼット。実は、扉、全部作り直した。理由は「ダメなモノはダメ」。

何がダメだったかというと、難しい話である。
あえて言うなら「出来栄え」である。
製作を担当したシバには、とても厳しい判断となったが、しょうがない。

行き場を失ってしまった扉は、倉庫にある。いつか、工房の棚に扉を付けよう。

だいたいが、そうである。ボツになったものはどこに行くかと言えば、工房やお店で使われる事が多い。



2/3
今度、金属でテーブル脚を、杉さんに作ってもらう。

彼は僕の古くからの友人である。お互い、飽きずに18年もつきあっている。
この道に引きづり込んだのは、僕である。彼の修業先を見つけたのは僕であるし、独立を押したのも僕である。「やりたいならやれば」と、いつもけしかける。今も。
だから、彼のことはよく知っている。信頼もしているし、不安も抱いている、、。

「たぶん、大丈夫」という彼。
強度に不安があるので、実験してもらったが、やっぱり揺れた。予想を遥かに上回る揺れであった。
鉄の粘りの事がよくわからん僕の方が、カンが良いではないか。
家具としての構造と質量のバランス。
言い訳なしのルールの中でリベンジあるのみ。

モノ作り人生、この先も道連れである。



2/2
一枚板の天板である。キッチンの天板となる60ミリ厚のレッドオーク。
塗装まで済ませ、このまま反らない様にビニールで包んだ。


湿気の出入りを遮断させ、加工後の狂いを避けるための、せめてもの策である。

しかしこれだけの重さは久しぶりであった。



2/1
完成したアームチェア。
出来立てのナラ材のアームが、ウイウイしい。

今日は、ひとつ「卒業」をした。先生という職をを9年間。

たくさんの出来事があり、一つ一つ思い出していくと、まさにそれも僕の人生の大きな一部であったんだと感じている。本当に、ありがとうございました。

一つ確信した事がある。
それは、「努力の結果モノが完成した時、誰も皆、とても素敵な笑顔で喜ぶ」という事実である。」
一つ思うことがある。それは僕がそうであったように「学生」から「社会人」に突然なってしまうことに疑問を感じているということだ。
僕なりに、その「確信」と「疑問」はこれからも思い続け、より一層、物作りに力を注いでいこうと思う。僕ら作り手にとても必要な部分はそこにあると信じている。





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