hwb work diary 2006.10

10/28 検討
実寸のサイズでないとわからない。ソファの座り心地のはこれはもう実寸モデルを作り、座ってみるしかない。
そんな事を繰り返していると、だんだんとどんな素材をどういう仕組みでどういう構造で作るとベストなのかようやく見えてくる。そして、自分が今作ろうとしているソファがどんなスタイルで使われるソファなのかより鮮明になってくる。
改めて、「万能なスタイルは危険だ」なんて思ったりもする。
というのは、使用される目的をしぼらないと、その人間工学的に導かれた角度やスケールは意味をなさないものになり、さらに万能という機能を求め欲が出てしまうと、ビックリ箱のような仕掛けと、本来の機能に徹する誠実味のあるデザインからはかけ離れていってしまう。そうなってしまうと、もはや本末転倒で、いったい何を生みだそうとしていたんだろうと空しくなる。
そんな事にならないように、欲に溺れないように、純粋に今やるべき事をやっているそんな毎日である。



10/22 グループ展、終わりました。
久しぶりのハレの日でした。瀧定ビルでの4日間の展示で、たくさんの方と話をさせて頂き、昨晩は興奮してなかなか寝つけませんでした。
出展した03チェアは、長い時間をかけ熟成させたオリジナルだけに、ハレの舞台がどんな形であれ、評価して頂ける環境であった事は、本当にありがたい事です。
最終的にはノーマルな椅子になりましたが、大切なオリジナルチェアです。03チェアは最新のオリジナル椅子というだけで、椅子自体の機能があがっていると言う訳ではありません。どのオリジナルもその時期に真剣に取り組んで完成形までに至っているので、生み出す苦労は同じです。
03チェアが出来て、01チェアの良さにまた気がつき、02チェアの不変さにも改めて気が付くのです。

最近、どういった訳か勉強する意欲が自然と増え、作りたい家具が多く、ますます家具が好きになっています。「どこまで深いんだー」とうれしくなります。

チェアーズのメンバーの方、また御協力頂いた関係者のみなさま、本当にありがとうございました。
最後に、チェアーズに脚を運んで下さったみなさま、ありがとうございました。何気ない感想一言が非常にうれしいのです。 03チェアの紹介



10/20 なら材の本棚
本棚を作るならナラ材でしょ。と思える程本棚には良く似合う。道具らしく棚らしく、すばらしい木だと思う。
どれだけ作っても飽きる事のないナラ材には、ホント魅力を感じる。

オーダー頂いている本棚の大きさが2メートルあるので、運び入れる事ができるか確認をするために、お客さん宅へ行った。
合板で底面の大きさにサイズを合わせた現寸型を作っていろいろと試してみる。
結果、搬入が心配されていた玄関も指一本分の余裕を持って通過する事ができ、これで安心して製作に励む事ができる。

きっと、いい本棚になるだろう。



10/19 ラグ
ラグのサンプルが届いた。やっぱりいい。ウールの素材感もいいが、繊細かつおおらかな手仕事がそれ以上に良い。

玄関マットにちょうどいいようなサイズである。

木もそうだけど、作り手の感覚って重要だと思う。
職人とかそういうくくりでなく、手で素材を実際に触って仕事をしている人。

自然素材の場合、手から伝わる情報ってかかせないと思う。



10/18 チェアーズの
チェアーズの設営があった。設営ぐらい手伝いますと、時間を作った。
貴重な平日の仕事に集中できる時間だけど、単純に、手伝わなくちゃっ。と思ったからだ。
指示してもらって作業ぐらいは手伝えるだろうと。

予定より早く会場に着いたわりには、あまり役に立てなかったように思う、、、。うう。


明日から、日曜日まで4日間の展示である。詳しくは NEWS をご覧下さい。



10/17 フェザー
フェザーのクッションが届いた。試作用にオーダーしたものだ。新作のソファはフェザーを使用する事がひとつの条件である。単純にフェザーをつめただけでは、クタクタになってしまうので、いろいろと勉強した。フレームの構造や、使用する素材の事を考えただけでも、かなり手間が増えるから、単純に今までのオリジナルソファよりコストは高くなる。
カウチソファなどのルーズなソファは後々の研究テーマではあるが、今回のソファはもう少し真面目なスタイリングである。

コストの面においては、無駄な手間なのか、必要な手間のかを判断を迫られる部分もあり、何を目指して作るかを明確にしておかないと、違うものが出来上がってしまうから、コスト設定は大切である。

具体的にやってみないと分からない部分もあるが、目標は大事である。いつもそう思っている。

かといって、コストの事ばかり考えているかというと、そうでもない。一度コスト設定を決めれば、後は、作る事や感覚的な事に集中し、精一杯やるだけである。


で、フェザークッションが届いたので、試作を続けようと思う。



10/16 もともと
ワイドチェストが完成した。テレビ台に使い、スライド扉の内部に機材を収納する。もともとオリジナルを考えた時、テレビ台として考えた訳でもないが、結構、その用途に使うお客さんは多い。

同じお客さんから、ベッドもオーダー頂いているので、ベッドが完成するまでワックスを塗りながら待機である。

今回のベッドは構造ともに、新しい。



10/15 
カップボード。上下に分割できるカップボードである。下段は抽き出しである。上段は引き違いの扉である。

オーダーサイズである。
満足してもらえるものができるだろう。



10/14 ベッド
製作にかかっているベッドは、2000×800サイズである。
いろいろと考えていくと、ベッドの大きさが気になって気になって。1000幅あれば、それはいいだろうが、実際シングルを2台並べるとかなりのボリュームになる。
寝室としてゆとりがあれば、問題はないとしても、どちらにしてもベッド存在感は大きい。

今回は、普段はソファのように使えるように考えた。スプリングなども考慮するが、結局、板スノコでウレタンを受ける構造にした。板の柔軟な特性を利用したいと思う。ウレタンの上部には綿を多めに使用する。



10/13 栗
栗を頂いた。いつも木屑をひきとってくれている方からだ。
畑にまいて堆肥にする。
天然の素材だから、土にも良いらしく、喜んで引き取って頂いている。
そして、畑で収穫した野菜なども頂く。
恵みだ。

別に、オーガニックな事をどうこう言う事もなく、あたりまえに木を使って、余った木屑は土にしてもらえる。
普通の事である。

畑用に木屑が必要な方は、いつでもどうぞ。



10/12 家具づくり
なんらかんら言っても、家具の事を真面目に考えている時が楽しい。「次はこんな物を作ってみたいなあ」とスケッチしているのが楽しいのである。これからの自分を自分で決めていく作業でもある。

実際の形になるまでは、時間もお金もかかるし、何より労力もかかる。形だけの話ではないから、形ができて、座ってみたり触ってみたりと、そこで気がつく部分もある。正直、落胆する事も多く何度もチャレンジを繰り返している。

オリジナルを研究すると言う事は、ものすごく有意義な事だと思う。
納得するまで諦めないで、チャレンジする。
日常の仕事がある中で、そういった時間を作るのはなかなか難しいが、少しでもいいから行動していないと一番大切な部分を失っていくような気さえする。
「10年後、みとって下さいよ〜」っと誰にでもなく常に思っている。



10/11 経年変化
ヌメ。
椅子になってから、まだあまり時間が経過していないので、飴色とまではいかない。
ナラ材に傷が入り、色が深まり、艶やかになっている頃には、ヌメ革もすばらしく変化しているのだろう。

使われ方の違いで、財布のようにすぐには変化は確認できないが、楽しみである。

ヌメ革の事、どんどん好きになっている自分がいる。知ってしまったんだな。



10/9 あ〜
気がついてはいたけど、10月で、もうすぐ11月で、12月。
う〜ン年々加速度ついてないか?
その日その日を大切に過ごしていこう。



10/8 いわゆる
完成したチェスト。衣類を収納して頂く。150mmの深い抽き出し8杯。
オリジナルで作る予定をしていた設計図を、お客さんのようにアレンジして提案させてもらった。迷う事もなく、「これがいいと」注文頂いて作らせてもらった。


オリジナルのチェストは背がもう少し低いが、基本的な構造は同じ。

気持ちの良い仕事ができるチェストである。
時間ができたら、オリジナルも作る予定だ。



10/7 写真
やっぱりそうなんだよなあ。「現物の方が格段に良い」と言ってもらえる事はうれしい事である。
中学生の頃の「写真写りがいいよね」と、言っていたのを思い出した。それは褒め言葉ではなかったかも。

写真ってむずかしい。プロのカメラマンは、ありのままの素材感や空気感などを表現できるんだろうか?

ちなみに現物の方が良い部分というのは、今回はボリューム感の部分であった。それは、レンズの焦点距離の問題でもある。
僕は、いつか写真集を作りたいんだよなあ。たぶんそれは、子供の成長アルバムと同じ感覚だ。物作りの事を残しておきたいんだな。



10/4 素材のこと
素材の事を好きという事は、言うまでもなく大切な事である、と前々から思っていたけど、最近、確信にまで至った。

「好き」という事がすべてのようだ。「好きなんだからしょうがない」という事であって、その素材とつき合っていきたい以上、正面から向き合うしか理解する方法はないらしい。

整備士の弟が入籍をしたんだけど、突然カナダ人だった訳で、僕としては、正面がなかなか向けないので、情けない。上から下から斜めからと、へんてこりんである。
一番下の弟は入国管理局に勤めていて、なんだか国際的であり、家庭内でビザチェックしてるもんだから、僕よりは理解している。僕としては妙な気分。

「好きなんだからしょうがない」、か。



10/2 子供の成長
休みの日に、ちょっと考えておこうと、アイデアや図面や段取りなんかをする事は多い。気分よい時程、楽しく(あたりまえか)できる。
もちろん、休みの日ぐらいは、家具以外の事も考えたりもするが、逆に、切り離してしまうと楽しくない。
とは言え、子供に家具話をしようにも、やっと「マンマ」と御飯時に言えるようになった頃なので、しょうがないか。
実際、世話はたいへんで(もっぱらケイコに任せっきり)、自由になれる時間は子供が寝ている間ぐらいだろう。
仕事と両立していきたい。本当にたいへんであるが。
平凡な休日なんだけど、はっきりとしていないんだけど、無意識のうちに過ぎていくんだろうけど、たぶん、そういうの、幸せと言うのかもなあ。


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