実寸のサイズでないとわからない。ソファの座り心地のはこれはもう実寸モデルを作り、座ってみるしかない。
そんな事を繰り返していると、だんだんとどんな素材をどういう仕組みでどういう構造で作るとベストなのかようやく見えてくる。そして、自分が今作ろうとしているソファがどんなスタイルで使われるソファなのかより鮮明になってくる。
改めて、「万能なスタイルは危険だ」なんて思ったりもする。
というのは、使用される目的をしぼらないと、その人間工学的に導かれた角度やスケールは意味をなさないものになり、さらに万能という機能を求め欲が出てしまうと、ビックリ箱のような仕掛けと、本来の機能に徹する誠実味のあるデザインからはかけ離れていってしまう。そうなってしまうと、もはや本末転倒で、いったい何を生みだそうとしていたんだろうと空しくなる。
そんな事にならないように、欲に溺れないように、純粋に今やるべき事をやっているそんな毎日である。 |