hwb work diary 2006.9


9/27 いわゆる框組。
抽き出しが8杯あるチェストだ。框組の構造である。
今は左半分の状態である。
画像の右側面の数本の横ザンは、抽き出しがすべるための、「すべりザン」というものだ。ちなみに正面の抽き出しと抽き出しの間にある横ザンは、「棚口ザン」と呼ばれるものである。

框靴は、板組とは違った部分で手間がかかる。
框組は枠の中に板をはめ込んだような構造で、面が出来上がる。



9/26 やっと
山桜を探した。以外とちょうどいい物がなくて苦労したが、品のある山桜が手に入った。カッティングボードとしてオーダー頂いたもの。
ようやくの製作である。



9/25 好きなんだろう
去年の夏までは、芝の手入れをそんなにしなかった。
今年は、多い時で2週間ごとに芝刈りをした。
砂も補充し、根もきった。栄養も与え、管理した。夏休みの課題をこなしたような気分である。
芝刈りが好きというか、ごそごそと作業するのが、好きなんだろうと思った。地味な作業も屋外ですると、なんだかスポーツ的で、気分もよりいい。
たぶん、こういう地味な作業があっているんだろうな。

体を動かし、作業を黙々をする。それで汗をかく。そういう単純な労働が、シンプルで好きなんだな。作業に集中しながらも、他の事も考えれるし、大げさに言えば自分を見つめ直せるし。



9/24 チェリー材のキッチン
宇野さんの建てた家を見学に行く。

キッチンの最終的な仕上げをさせてもらい、その後、オープンハウスなので、おじゃまさせてもらった。友人の大工のかっちゃんファミリーも来ていた。仕事ぶりはお互い見ているけど、スギさん本人には会えなかったなあ。
とにかくである。この瞬間、ここにいるという事が、作り手として、職人として、人として幸せであった。
宇野さんに感謝である。
谷からの気持ちのいいそよ風が気持ちよくて、それがまた似合っているなあと感じた。
不思議と安心感があり、妙にリラックスできた。
栄養を補充させてもらった感じ

チェリー材のキッチンもこれからが楽しみである。



9/23 アームチェア
納品まで、まだしばらくあるがアームチェアが完成した。
座りやすいダイニングチェアとして相談頂いてから、随分と経過した。

興味のある方は、オーダーメイドの方にアップしたので、そちらも見て下さい。



9/22 イタヤカエデ
イタヤカエデを検討しに材料屋さんへ。
見るからに、良さそうであった。

以前、購入したイタヤであまりにも使い物にならない事があり、返品した事があったので、慎重になってしまう。

自然素材なので、そういう事もたまにある。
自然素材だからしょうがないと、無理矢理あきらめさせるような材料屋さんではないので、その時はもちろん、交換してもらっているが、同じような事があると、手間なのでそういう事は極力さけたい。



9/21 リズム
工房は大きな家具で賑やかである。オーダーメイドで注文頂いた、カップボード、チェスト、ダイニングテーブル、01チェア、そして、作りかけの新作のオリジナルダイニングテーブル(ステンレス各脚バージョン)。
そんな感じである。
実際、ダイアリーで紹介する家具は一部で、今まで作らせて頂いている家具を全部は紹介しきれないし、できない。

その中でも問い合わせの多い家具の中で写真があるものはオーダーメイド例として紹介しようとしている。
あたりまえではあるが、全部オーダーメイドであって、ひとつひとつ考え作っていったものである。
オーダーメイドは必要にして生まれた形でもあり、また、ひとつひとつ違う経験となっている。

順番に紹介していきたいと思います。参考になれば幸いです。

またこれとは別に新作家具も、改めてまとめて紹介したいと思っています。出来上がった家具は、お店に既に展示してありますが、できればまだ見せたくない気持ちもあります。でも見てもらいたい気持ちもある、、、。
秘密に出来ない性格らしく、微妙な気持ち。



9/20 新作のオリジナルとなるローテーブル。
完成である。
厚みのあるクルミ材の天板、細い無垢のステンレス丸い脚(丸棒)。

木とステンレス。みな無垢材だ。

新作家具は、またきちんと紹介させて頂きます。



9/19 大阪
新作の家具のため研究をしていくと、具体的に必要な素材が出てくる。
そういう素材を手に入れるために、大阪まで行く。
新作のソファを作るために、必要なものだ。


9/18 新作
手織りのラグを作られている作家さんの工房まで出かける。
先日、実物を見せにお店まで来てくださり、今度は僕たちが作家さんの工房を訪ねたというわけである。
北欧の羊のやわらかな糸から織られるそのラグ色といい質感といい感動できるものであった。僕の作る家具にすごく似合っていたので、(素直にそう思えた)作り手としてうれしくなった。

冬頃までには、オーダーしたものが出来上がるので、見て頂けると思う。



9/17 新作
完成である。新作のダイニングテーブルだ。

製作意図
脚はストレートで丸い。
まく板のある基本的な構造。
天板は角が丸い。
コバ、コグチ面はゆくやかにラウンド。
特に触れた時の感触にこだわる。
軽快であるがしっかりしている。

道具らしくじわじわと美しいスタイリング。


また、きちんと紹介させて頂きます。



9/16 カップボード
カップボードやチェストなどの箱もの家具の段取りをしている。既に予約頂いているので、適した材料を手配し、製作意欲と意識を高める。
箱もの家具は、収納という機能的な部分とスタイリングをバランス良く歩み寄よれるように、いつも苦労している。
オーダーメイド家具は、お客さんによって求められる機能は違う訳で、その機能を僕の家具にまとめていく作業が大切である。

大きな視点で想像しながらも、細かな部分に迫っていく。けっこういつも悩み抜いている。
オーダーメイド家具は大変だが、勉強になるので楽しい。



9/14 モデル
あーいいつかれだ。新作のダイニングテーブルは、「道具のように誠実」と思えるような納得ができた。というのも、当初からある「曖昧だけど確実な」その想いを大切に見失わないように、刻んできたようなもんである。

大げさに言うなれば、そのイメージを彫りだしていくような彫刻的であった。
もちろん実際の検討作業は、組み合わせていく木工的なプロセスは多く、彫刻作業とはほど遠い。
それでも、彫った感覚が残る。

とにかく、いつも以上につかれた。でも気分は良い。



9/13 たくさんの
タスクが怪我をした。左手の中指である。指先を自動鉋盤という最も良く使う機械で怪我をした。
指先であるが、爪もえぐりとられている。この指先の怪我は木工では非常に多い。
僕も既に完全に回復しているが、12年間で、3回、指先をやっている。トリマー、鉋盤、傾斜版と、、、。
全部、指先5ミリ程度を削り取られるような怪我である。

ひどい人だと、2、3本指がない人もいる。ホントに気の抜けない仕事である。
せめて指先だけで止めれるように、急なハプニングにも対応しなくてはならない。万が一の状況も意識しつつというような。


タスクを病院に連れていく。午後3時で、時間外診療になったので、随分待たされてしまった。
診療時間になるのを待って近所の病院に行くべきだった。

包帯の左手は、風呂が困る。という訳で、「左手ごとビニールをかぶせ、輪ゴムで止めるといいよ」と経験者の僕は、教えておいた。



9/12 現場
現場である。チェリー材のキッチンを取り付けである。
天板がハイエースの中に入らないので、キャリアの上に。雨も心配だったので、ビニールシートで養生する。
今回のこのキッチンの造作は、宇野さんからのオーダーである。図面を頂いて、それに基づき、打ち合わせをしながら製作させてもらっている。いつもに増して、家具らしい設計であった。どんな家に取り付けたのか、ご興味のある方は宇野さんのサイトを見てみて下さい。宇野友明設計事務所

現場にはタスクとシュウヤを連れていくものの、二人は言われた事すらままならないレベルなので、逆に気が重いが勉強である。もちろん、僕が主で、彼らはあくまでサポートなので、何も問題なく取り付けは完了する。
 二人にとっては残念だが、しかたがない。
二人はキッチンを取り付けたという現実感がないまま終わった事だろうと思う。ようするに、自分で思考しなければ、現実感は薄いだろうという事。
言われて動いているようでは、ダメで、そういう状況は頻繁におきる。

結局のところ、経験以上に責任感のともなったやる気が肝心だな。



9/8 モデル
忙しいが、新作家具作りもしている。

1800サイズのダイニングテーブル。モデルで検討しながら、平行して実物も作っている。
普段とは違う脳と筋肉を使っているみたいで、別の時間を過ごせる。普段の時間に別の時間をプラスしていくので、疲労は増すかと思いきや、逆みたい。

同じような事を、郡上八幡の徹夜踊りを踊り終えた人が言っていたのを思い出した。



9/7 収納もの
8杯の抽き出しを設けたタンスが完成した。ワックスを塗り乾燥させている。これも間もなく納品してしまう。

作りたい収納家具が多く、順番に形にしていこうと、夢が膨らむ。
最近作りたい衝動が大きく、試作で材料を使いきってしまうんじゃあないか?と思う。

もちろん、材料もタダじゃなく、身銭をきって作品作りはするものである。
その分、自分に経験を積み重ねる事ができ、資金とのスレスレの状態での物作りでもある以上この緊張感は本気さにつながる。
本気で取り組める状況に追い込むといったところ。



9/6 高山市
高山まで、行く。家具の展示会をまわるものの、不思議な程、素材感のないものが多いと感じた。感覚としてだが。僕の場合、デザインに質感という物がものすごく重要と考えている。

もちろん、フィンユールや、ナンナディツェルの復刻を手がけるあの家具屋はすばらしく、復刻家具とはいえ、当時の作りを再現し切磋琢磨しているのを見ると、単純に同じ作り手として、うれしくなる。

画像は、高山に行く途中によった休憩所に隣接する廃校。
木造校舎に入った瞬間に、何かに包まれたような感覚が。
すばらしい。



9/3 夏ダ。
ジメジメしていないからか、さわやかだ、夏も終わりか。
あさってから、休みを利用して高山のおばあさんの家に行く予定。

高山で、家具フェスがあるので、休みを調節していろいろ見て来ようと思う。
最近、家具を見に行く事が多く、自分に少しでも勉強になる部分はないかとアンテナをはっている。
テーブルを見ながら、チェストを連想したり、いろんな素材を見ながら、アレンジしたり。
僕の想像は膨らみ、本当に楽しく勉強をさせてもらう。

とにかく、勉強するという気持ちでいると、清々しい。



9/2 デザイナーズウィーク
チェアーズに参加させてもらう事ななり、その結果デザイナーズウィークに参加する事にもなった。
03チェアを展示させてもらう予定だ。
場所は長者町である。

夕方から、その打ち合わせがあり、ナディアパーク内のデザインセンターへ。
閉館ギリギリまで、ナディアパークにいたのは初めてである。



9/1 子供の成長
今月で一歳となるカンナ。子供は驚く程に成長していく。
デスクワークをしていると、机の抽き出しで遊ぶ。
押すほうが、面白いらしいが。

それに比べ、大人の僕は驚く程に成長していない。そんなわかりやすく成長は訪れる事もなく、10年前と変わらない部分で、デザインを悩んだりする事もある。
地道だなあ、、と思う。




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