hwb work diary 2006.8

8/31 いい。
最近、毎日が楽しい。というより、先の事を考えると楽しくなる。しばらくの間、モンモンとした苦痛の時間を過ごしていたので、それだけ分楽しいのだ。
しばらくって言うのはここ3年くらいの事で、地味に長かった。
もちろん、普段の仕事は、一生懸命やればやる程楽しい訳で、そういう意味ではない。
もう少し、僕個人のコアの部分の事である。
僕の場合、毎日の楽しさを左右する一番の要因は、家具作りの事である。
これから作り出す、家具に自信がある。努力しなくては、たどり着けないけど、モンモンとしながらも探して来たものは、結局は素材のパワーに導かれた今の家具作りの応用的なものである。そう、広げるのでなく、掘る。

僕の周りには、ありがたい事に素敵な作り手が多く、勇気をもらう事も多く感謝している。
迷いはないが、打破できないでいた問題が解けていくように。モンモンとしていたものがクリアーになって、縛られるものもなくなってきた。だから、僕なりに夢を描いている。



8/25 おおっ
組み立てをする。
板構造と框構造の組み合わせのキッチン。加工はおもしろい。
建築家具の中ではめずらしく、家具らしい仕事である。

まだまだ暑い日が続きそうである。



8/24 出会う
豊川まで、家具のメンテナンスにいってきた。
業務用で使用されているので、かなり使い込まれている。
クルミ材のテーブルは、予想以上の美しさであり、うれしくなった。


お寿司やさんだが、ものすごく繁盛しているそうで、同世代のオーナーにもうれしくなる。

実際、また行ってみたくなるような、満足度のあるお店だと思った。

今日はその他、良い出会いが多く、恵まれた一日であった。



8/22 新作
新作の椅子が完成した。完成してからずいぶん時間が経過したので、なじんできた。

また紹介したいと思います。



8/21 久しぶり
今日はお休みの日だから、お出かけした。
オーダー依頼で必要な、白いタイルのサンプルを求め、イナックスのショールームへ行く。
キッチンなどの水栓金物では、TOTO や INAXのカタログには頻繁にお世話になっているし、実際、設備機器を使用させてもらう事もある。
でもあまりショールームに行く事はなかったので、思わず楽しんだ。

ついでにと言うわけではないが、家具屋を数件見てまわった。久しぶりの家具屋である。
相変わらず、名古屋というか日本というか今というか、良くも悪くもそんな感じである。
単純に家具が好きなので、すごく楽しい。時間を忘れ、想像の世界と店内を行ったり来たりする。
要するに感じる事が重要であって、僕の作った事のない実物のスケールを体感できる事は、かなり貴重である。

ベビーカーにカンナを乗せて、ケイコと僕でフラフラとする。

帰ってきてアコースティックギターの気持ちのいい音に、救われる。嗚呼、アナログだあ、、。



8/20 おおっ
吊り戸棚を組んだ。これも大きいので、迫力がある。
無垢材だと、木の長さはある程度あるので、4メーターの大きさでも、一本で作れてしまう事に改めてうれしくなる。

すごい事だな。



8/19 これからも家具
休み開けから、そうそうに家具のオーダーが多く、おかげ、すっかりトップギアに入った。

オーダーメイドの家具のさらなる質の向上を念頭において、僕の家具設計は進んでいる。
あまり短期的な運命の物になる事はできるだけ、さけたいと思っている。

はっきりいって無垢材は貴重な材料である。
だからこそ、愛される物を作らないといけないと思う。
でないと、かわいそうである。
という事だから、作り手は愛される物を作る責任がある訳だ。

平凡だけどキラリと光る物もあり、実に物作りは奥が深い。



8/17 木に相談
クルミの木目にやナラの木目が、僕の創作意欲をかき立てる。
はっきりと形が決まっていない状態で、オリジナルのテーブルを創作しているところだけど、検討していると、あまりに愛着が湧きすぎて、へたに加工ができんくなってくる。
困ったもんだ。
でも、この木を活かす形はあるはず。木目だけでなく、質量も大きく左右されると思っているので、とりあえず天板だけを優先して作った。




8/12 夏ダ。
天板が形になった。なったはいいが、5メーター程の大きさだと、こうやって保管するしかない。



8/11 これからも家具
なら材で、ダイニング。クルミ材でロウテーブル。
新作の家具を製作中。
新しくオリジナルの家具を作る時は、しかりとした図面は製作しない。というか、明確でない部分が多いから。
素材に聞く、素材になる。
とりあえず、両方とも天板を作った。ナラは35mm厚で1800×870mmサイズ。木目は柾目。
クルミ材は42mm厚で900×900mmサイズ。こちらも柾目。濃淡がわりとはっきりしたものを選んで、クセをあえて作ってみた。
ナラ材天板は、重量と柾目の柄が、たくましさと繊細さをイメーさせる。たとえるなら「道具的」。
クルミ材の天板は、厚みのある900mm正方形が、塊感をイメージさせる。柄を作ったようで結果作ってないような濃淡のある柾目柄が、自然素材をその四角に封じ込めたような、例えるなら「宝箱的」。


とにかく、素材と出来上がった形に相談しながら、進めていく。
お盆休み前に完成できたらいいなあと思っていたが、今週は来客が多く、打ち合わせに時間を費やした。打ち合わせは大切だ。
だから、あわてない事にする。時間に追われないようにしたいと思う。ひとつひとつに、いい仕事をしていくためにも。

実際、うちの家具はいいと思う。質と価格を考えた時に、誠実に仕事をしているなあ、と我ながら思う。
かといって安売りしている訳でもないし、意味も無くたくさん数を作る仕事でもない。出来上がった家具が、満足いくものであるように、よりそこを大事にしていこうと思う。思っただけでは変わらないので、僕自身慌てないようにする。スピードでなく、物で還元だ。そうでなければ、僕が家具屋をやりつづける意味が無いしおもしろくもない。
感動できる家具を作る。



8/10 シオホキュウ
朝からはりきって仕事していたら、気がついたら昼過ぎていた。打ち合わせの予約あって、お客さんがお店にいらっしゃってから時間を見てびっくり。汗ダラダラで、喉カラカラ。
「ちょっと用意してきます」といって、顔を洗って、水飲んで、梅干し2つ食べ、スタンバイ。

しょっぱい梅干し、おいしかったあ。

夕方、新作の03チェアの革張りの座が出来上がってきた。といっても試作。
すぐ、張り職人と試行錯誤しながら、改良を加え、満足のいくものにする。
とりあえず、黒革はOKだ。生地色のものはお盆休み以降の出来上がりとなる。しかし、ヌメ革の生地色(なんにも染色していないもの)は、恥ずかしいくらいに白い。すぐにアメ色に変化し、あたりがついて微妙に艶が出る。木と同じだ。

今日も十分汗をかき、体も疲れ、満足day。



8/8 革
ヌメ革を手に入れた。牛、半頭分である。やっぱり気持ちのいい素材だ。
それだけで、既に様になっている。手加えるのがもったいないくらいに、そのままでも十分色気がある。
木にも同じような想いを抱いている僕ではあるので、木と革がうまく出会ってくれないと困る訳でもある。

両者の気質は同等とみた。相性の良い木との出会いを待つヌメといった感じである。



8/7 暑い
暑い、工房が暑い。上の方から熱がくる。
今日は、一人でお店で過ごす事にした。本が好きなので、見ているとよくいい事がおきる。
いろいろ試してみたい事や、作ってみたい事に純粋になれたりする。

いつの間にか自分を束縛していた時間的なものから開放され、自由になれる。
自由になると、本当に楽しくてしょうがない。

新しい事に取り組むには、大変な事がたくさん待っているが、その分楽しい訳だ。
「生涯学習」。内容はどんな事でも良いと思う。知りたいと思う事に、諦めず行動をする。
誰のためでもなく、まして自分のためになるのかさえわからない。
でも、行動に出る事は、頭で想像するのとは違い、汗もかくし、疲れる。だから、気持ちよく眠れる。
子供のようにシンプルに行動したいと思っている。

どうでもいい事はどうでもいいので、あまり余計な事は考えないようにしている。




8/6 日曜日
土、日がお店の営業日というのは、メリハリがあって僕としてはよいと思っている。
平日は工房で家具作りに専念できるし、土日は、普段とは違った緊張感があり、一生懸命過ごせば充実した一週間になる。

最近、日曜日は創作活動の時間として、いろいろと試行錯誤している。思った時に行動にでれるような環境であるようにしている。一番大切な事は、楽しんでクリエイトする事でもあり、その結果、これから作る家具がより良いものとなればうれしい。
一番うれしいのは、手応えを感じながらクリエイトする事だ。その結果、次につながるヒントや希望を見つける事ができる。

そして報われる瞬間は、その家具が自分の想像を超えた時で、落胆するのは、自分の想像が浅かった時だ。
現実はそんなにも想像力はなく、なんどとなく試行錯誤を行う。
家具は人間の大きさに近いので、結構緻密なデザインを要する。繊細にすれば良いという事でもないし、おおざっぱにすれば良い訳でもない。

一番確かな事は、なんらかんら言っても良いものは良いので、理屈ではなく、作るのみである。
一番のエネルギーは、お金の報酬ではなく、作りたい、見たいという自分の欲求である。
作りたいのだから、しょうがない。やるしかない。



8/5 アームチェア
ブラックウォールナットの椅子がだいたい形になってきた。以前、作った椅子ではあるが、今回はその椅子をさらに手を加え、より座りやすいものにしている。
座面はクッションタイプの座の下地はアールの合板である。アールなので、平面よりやさしく座る事ができる。
アームの部分は木である。アームの幅は、前回より広くしている。

仮組ができたら、お客さんに座って頂こうと思っている。
仮組段階から、微妙に調節する事ができる。



8/4 準備の準備。
とりあえず、木取り。の前に材料を選別する。

適材を選び、無駄をなくす。
というより、こんな奇麗な材料を見ていると、無駄してはいけないような気がしてくる。


むかし、意味もなくかんなくずを持ち帰って、眺めていた頃を思い出した。




8/3 納品。
引き出しつきのダイニングテーブルと02チェアの納品である。
テーブルがナラ材で、椅子はブラックウォールナット。

僕はこの組み合わせも好きである。
特にテーブルと椅子の材料を合わせる必要もないと思う。


ブラックウォルナットとナラ材は良く似合う、と思う。



8/2 夏ダ。
チェリー材を仕入れにいく。

長くても4メーター材だが、今回はそれ以上ある。
そういえば5メーター近くあるとハイエースに入らない、、と気がついた。
なので、キャリアの上にのせた。

炎天下の下は暑く、1kgは体重減少できる。

夏に体重減少、冬増加の原理。



7/1 納品。
いろいろと新作の家具を作ろうと予定する。予定というのは、具体的に製作スケジュールを組む事である。
注文頂いている家具との合間に、作ろうとがんばっている。とにかく、家具作りの作業内容は地味だが大変である。

プライドがないととんでもない家具になってしまうので、理想は大事にしている。いくらでも手間をかけれるし、逆に簡単に手を抜く事もできる。そうなってしまうと僕が生涯かけて家具作りをしていく意味を失うので、それこそまさに意味が無いと思ってしまう。だから、まず自分が納得できる物であるようにしている。
もちろんこれからの毎日を楽しむためにだ。

納得するに至までは、結構いろいろと考えなければならないので大変だけど、作り手でいる以上そこは苦労しなければ行けない部分なんだろう。楽しむためには苦労がつきものなのかな。
そんな事を、真夜中の工房で考えたりする。


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