hwb work diary 2006.1


1/28 製作の
一ヵ月なんてすぐ過ぎてしまいますね。
最近は暖っかいので、作業に週集中できるので助かる。

工房は活気があるから、暖かいんだけどね。
来月は、今製作しているキッチンや、下駄箱などを取り付けがあり、現場仕事を控えている。
忙しいが、楽しみなんだな。

画像は、キッチン本体ではなく背面カウンターである。本体は次の機会に紹介するつもり。
背面カウンターは、たっぷりの抽き出し収納をすすめる。
抽き出しはスライドレール式にして荷重に対応できるようにしている。
残すは、天板のステンレス。





1/22 お店
ご存知のとおり、今、お店は土曜日/日曜日のみ営業とさせてもらっている。
「ホント、家具屋としてどうなのよ?」なんて思ったりする。

とにかく、「僕が家具を作っていないと、hwbの家具はダメになる」と思ってる。
僕が家具を作らないでいると、僕は家具屋をやめたくなってしまう程だ。

うちのお店は家具を売っている家具屋というより、家具を作っている家具屋のショールームな訳だ。

で、今日は日曜なのでお店の営業日。お店番は、ケイコと柑奈である。
←こんな感じである。

作業中もガラス越しに、柑奈が見える。「よしよし、オレの背中を存分に見なさい!」と思ったりする。
とにかく、とにかくである。

いろいろ僕達の都合で、いろいろと御迷惑をかけてしまいますが、よろしく願いします。
というか、お店に来てくれる人はみんなイイ人ばかりで、ホント救われます。



1/21 デザイン持ち込み
「こんな物を作って欲しい」と図面まで頂いた。

僕のデザインは、職人という理由から構造から発想し、作りながら思いつく事が多い。ある意味、自然で違和感のないものに、あたりまえのようになる。

今回は、図面を見させてもらい、ドキドキしながら製作させてもらった。天板の下部面の丸みは、手で削っていったので、すごく楽しかった。

とにかく僕は、家具を作る事が大好きである。めんどうな事を人任せにした瞬間、つまらなくもなる。
逃げずに自分がやる。それだけの事で、今やっている仕事が楽しくなりません?



1/20 僕、トマト好き。
これもレストランに納品する。ワゴンだ。
角材の太さが、全体のボリュームにちょうど良いサイズだと思った。

「おっ、ひとつ作っておくんなまし。」という具合に、自分家のキッチンにも欲しくなった。
でも、狭くてこれ以上狭くできないので、諦める事にした。

天板が折り畳まれ、小さくなるっていう機能が、ワゴンに似合う魅力的な部分であった。

チーン
「お待たせ致しました」「酸味のきいたトマトのパスタです」ってな具合ですか?



1/20 うれしい。
これは、レストランに納品されるキャビネットである。ブラックウォールナットで製作した。

主にソウタが担当して、しっかりと作り上げた。
ここまで無垢材を扱う事ができるようになった事は、うれしい事である。
無垢材でオーダー家具を作るには、経験も技術も想像力も必要であった。
3年前を思い出す。学校を卒業したばかりの初々しいソウタとカツキ。
彼らにとって理想と現実のギャップはあったのだろうか?

とにかく、彼らががここまでに至るまでには、一言では言える訳にない様々な経験が必要であった。頭で理解する事、体で感じる事、全てがつながってやっと、なんて事のない真面目な家具が出来上る。
家具作りは真面目に作るだけで精一杯で、今、作るものがあり、それに一生懸命に取り組む事、その日々のくり返しは、僕ら家具屋の喜びとなり、希望でもある。
とにかく、僕はうれしい。



1/19 いきです。
入れコの飾り棚だ。大小で兄弟みたいだ。
そんなに大きくないし、小さくもない。 大きいサイズの家具を作らせてもらう事が多いので、新鮮に感じる。「おっ!家具じゃないですか」といつも以上に思う。
そう、家具を作っているんだ。

大きければ良いとは限らない。そう、そういう事なんだな。



1/18 フスフスと。
寒くない!全然寒くないんで、家具作りは実に快適である。
体を動かせば、汗ばむほど。ブラックウォールナットの香りと、ナラの香りがミックス。そしてストーブの臭い。休憩のコーヒーに香り。
一冬の思い出になっていく。

なんだか、最近強く思う事がある。以前にもまして強く思う事である。
それは、僕ら無垢材で家具を作る職人の事である。素材と対話し、いかに楽しく作るか、そして愛せるか。製作中に同じ時間が流れるとは限らず、人によっていかようにも楽しくも苦しくもなる。
こんな時代だから言うが、いかに「愛」を抱きながら、その家具を作るか、自分ときちんと向かい合って正直にそして素直に勝負できるかである。
去年から、建築業界の信じられないような現実のニュースを耳にするが、同じ物作りをしている人間として、すごく腹立たしい。そして痛い。

自分の仕事にプライドをもっていれば、単純な作業などの仕事時間さえ愛おしく思えるのに。
あたりまえの事が、適当にされる程マヒするような物作りなら止めたほうがいいと思う。
そのあたり前の事に、むしろ欠かせない重要な事があるのかもしれないし、あたり前の事がなくなった状況になって、貴重さが身に染みるってもんだろう。その時既に遅しである。
お金をもらい仕事をしている事の、意味と現実をよく把握し理解しなければ、クライアントに感謝すらできず自分自身を愛せる物作りなんてできる訳ない。と強く思う。

仕事をする以前に、愛情のある人間である事が大事だと思う。
そういう意味でも、修行というものの大切さを感じる事ができる。
すぐお金お金(効率優先)と結びつけようとする情けない物作りからとは違った世界で、純粋に物と格闘する時間は、とてもとても大切である。そうした物を理解できて初めて、仕事として成立していくものだと思う。
簡単に出来上がってしまう物が多すぎて、昨日まで素人なのに、突然プロとして報酬を得るような物作りは危険だ、と僕は思っている。
物を作れば、金になるという時代なんか最初からない。逆に、どんなくだらない物だって、人によってはものすごく大切な事だってある。
いかに大切にしてもらえるかどうかは、愛してくれる人に対して愛されるべき物をつくる事ができるかどうかである。
僕は、自分の作っている家具に関しては、ものすごく自信をもっている。けど、現状の自分の能力にも常に反省もしている。家具職人として生涯をかけたいと思っているから、終わりなき、葛藤は覚悟しているし、そんなにいい事ばかりある訳なく、逆にいい話しなんてある訳ないと思っている。だから、どんな逆境も覚悟の上で、少しでも素敵な事があれば、それで十分人生楽しめる。
自分の毎日、すなわち私的木工人生においては、絶大なる希望と野望、そしてある意味絶望さえ、とっくに覚悟している以上、自分に嘘と不安はなく、よってこれから先、僕が納得して作り出して行く物達に関しては、ものすごく自信がある。

でも、どんなに家具作りに磨きをかけたところで、一人の人間としての「すごさ」みたいなものは上がる訳でもなく、謙虚である事の意味を失う方が、むしろ恐怖である。
とにかく、「仕事=お金」とすぐに直結する若者は要注意である。あなたの仕事はちゃんと仕事として成立するまでに至っているのか考えるべきである。
謙虚な考えが自然に芽生えれば、素敵な作り手として仕事をしていけるだろう。まあ、金持ちにはなれんけどね。
仕事に情熱を注ぎ、生き甲斐にしたいなら、覚悟したほうがよい。
まず、諦める事からはじめる。いろんな事を諦めて、仕事に専念すべし。そして、物作りに専念し、費やした時間と思いの分、酬われると信じてがんばるのみ。
何年たっても、それは同じ。そう僕も生涯修行中だろう。



1/12 オーダーメイド
ネットで注文頂いたオーダーメイドのチェスト。
お仏壇として使いたいとの希望である。

以前にオリジナルのチェストを作らせて頂いた事がある。
「親にも安心感を与えてくれる」と、以前製作させてもらったチェストと同じ材質を選択された。

人に、そんなように思ってくれたら、うれしいだろう。

もう少しで完成する。



1/3 またです。
謹賀新年。2006年だ。
今年はいろいろと計画がある。やりたい事がたくさんあって、困る。欲張ってそんなに多くは実行できないから、順番にスタートしていこうと思う。
計画を達成する事が最終的な目標ではなく、「やり続ける事、やっている今日」といったところである。

本当に大事にしたいんだな、平凡な日常を。毎日一生懸命やれる事をしていく。物作りを、より純粋にそしてより熱烈に今以上に冷静に。
掘り下げるべく、大事にしたい。
あまり時間を気にしないように、子供の工作のように物作りに没頭したいんだ。

で、今日は正月3日だ。いつもそうだ。正月ぐらいは静かに過ごそうと思っているくせに、またやってしまった。
また改装をしてしまったのだ。
朝、ホームセンターが開くのを待ってソワソワし、ハイエースのエンジンをかける。するとハイエースのナビゲーションが「明けましておめでとう」と僕に言うので、「今年もよろしく」と思わず言う。開店と同時にプラスターボードを5枚購入。ついでにつや消しの白ペンキも購入。柑奈(4ヵ月の娘)が寝ている隣の部屋で、ゴゾゴソと脚立を動かし、電動ドリル片手に、プラスターボードを貼る。速攻ファイバーテープも貼り、パテをこねる。「ひえー冷めてー!」と持ったけどすぐお湯にしたので、なんか気持ちが良い。パパッと1っ回目のパテをして、ひと休み。

パテが乾くまで何しよう!そうだ。音楽を聞こう!大きな音、音楽を聞く。スピーカーが振動するくらいに。柑奈が寝ているのに、大きな音で聞く。むしろ抱いて踊ってやった。「なんかすごく楽しい。」僕の好きな音楽はウッドベース音がしっかりしているので、心が自然に踊ってくる。若干迷惑そうな顔をしていたのに気ずいたので、柑奈をそっとしておく事にした。

パテが乾くまで何しよう!そうだ。バイクで一周してこよう!こんな寒い中誰もバイクなんて乗ってないぞ。キックスタートしかないんで、少しは体も暖まるからありがたい、、う?ありがたいんか?ま、いーか。近所の最短ツーリングコースを走るとエンジンもあったまる。が、僕の足は冷えてガチガチ。
真冬のバイクは30分くらいにしておこう。でもなかなか気持ちがいいもんである。

夜パテが乾いたので、2回目のパテを塗る。これで、明日朝一でペンキが塗れるぞ。う〜んイイ日であった。すごくうれしい。


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