hwb work diary 2005.8


8/31 特別な日
バタバタとしていた。先日、誕生日を迎え33才になった。だからと言って特別な事はないと思っていた。
「もうすぐ誕生日かあ、、」と思い出したのは病室であった。お祖母さんがもうダメかもと連絡が入り、仕事をほったらかし、入院してる病院に到着。
到着すれば、親戚がベッドを囲んでいた。「会えてよかったあ、、ありがとうおばあさん」そんな気分であった。「ひろくんは器用だから」と小さい頃良く言ってくれたのを思い出した。
91才のお祖母さんはすごくがんばってくれた。7人子供を育て、孫はうじゃうじゃおる。ひ孫までいれると相当な人数だ。
今日は告別式であった。たくさんの記憶が蘇り、すごく大きなものを感じ、いろいろと泣ける程感謝した。

ありがとね、おばあさん。うん、オレがんばるから。



8/21 キッチン
キッチンって憧れる。昔からそうだ。キッチン自体よりも、その使われ方に興味があるんだ。
そうそう、最近完全にタバコをやめた。そしたら、コーヒーが以前よりも美味しく感じる。香りの違いには驚く。
コーヒーだけではなくお茶もそうであるが、コーヒーに限ってはタバコによって得ていた何かを代用しているようだ。
キッチンには関係ないか?

で、画像はキッチンの天板だ。先日採寸した現場の壁に合わせ作った。
背面がアールなので、少し今回は工夫が必要だった。アールが難しい訳ではない。

板金から戻ってきた後に、再度木の部分の仕事がある。そこが実は一番難しいところなんだけど、説明しようがない。

明日、板金屋さんに持って行く。既に打ち合わせしてあるけど、作ってみて分かったけど、今回は基準面がいつものとは違うので、現物を前にして再度打ち合わせをする。



8/19 再会
出来上るたびに「また会えましたね」って思う。
最初の16チェストから抽き出しの数を増やしたり減らしたりしながら、いろんな兄弟がいる。

今回はクルミ材で9ケの抽き出し。「全体のサイズ」と「抽き出しの希望深さ」などを割り振るのはパズルである。
立体のものでありながら、平面での構成を楽しむパズルのようなものだ。
そこに木目の表情が加わり、もう少しレベルアップしたパズルのようになる。
限られたフレームの中で最大限頭を悩ませ楽しみながら、家具を作っている。そんな感覚を覚える。
「想像のフレームの大きさは、作る物によって全然違ってくるんだなあ」っと思った。当たり前だ。
僕が家具を考える場合に意識するフレームは「部屋の大きさ」である。大きくなっても「家」までだ。
じゃあ、僕が家具を作る時に意識している「家」を作る時は、その周りの「土地や環境」がフレームとなる。もちろん、人が中心であるんだけど。
僕らの家具によって、そういった日常の生活がささやかながらにでも豊かになってくれればいいんなあと思っている。


お盆休み中にオイルが完全に乾燥したので、軽くバフをしワックスを塗るつもりだ。



8/18 少しチャレンジ
クルミのデスクだ。今回は金属フレームの脚にチャレンジした。脚部の製作は鉄工職人のスギさんにやってもらった。ステンレスのフレ−ムは手作業でバフをしてもらったもの。
僕は、「仕上がり具合」がすごく気になる。求めたものを作り上げるために、仕上げていく訳なので、そこに妥協はしたくない。
手を加えれば加えただけ良くなるとも限らず、素材を活かすという事は、なかなか難しい事である。 答えはないかもしれないけど、探求心は日々深まる一方である。

おかげで、満足のいったデスクを納品できそうだ。



8/11 納品

画像 左 納品したてのキッチンチェストで、早速お茶を頂いた。

画像 右 配置したての本棚に、すぐにカメラを置く石井さん。僕もそうだ。すごく理解できる。その行為は衝動的だった。


石井さんページはこちら→haruo ishii
そしてまた02チェア。今度は3種類の材料である。クルミ、ナラ、イタヤと4脚づつ製作する。
ナラの02は背もたれが2本となる。セミオーダーである。
2本いいね。オリジナルとしては1本だけど。

画像はカツキの作業台である。作業台の上にはクルミとナラとイタヤの木取りしたパーツが。
僕は常に整理整頓をうるさく言う。「ピシッ」とだ。
余計な情報に神経を配れる程、家具作りは「ゆるく」ない。
芸術的な活動で、素材に埋もれながらクリエイトするのも良いが、ここは家具工房。怪我とは隣り合わせである。
だから、できるだけ作業のしやすい環境を心掛ける。

「綺麗に」を心掛ける事で、全ては楽しくもなる。
人間って案外、単純なものかも。



8/10 雑誌掲載
今月のモダンリビングに、宇野さんが紹介されています。櫻海道の家などを含め、宇野さんが特集されています。
取材を受けている時の宇野さんを思い出すと、なんだか楽しくなってきます。

宇野さんが、うちの事も少し紹介してくれています。

今日から、本屋で購入できるので、見てみて下さい。



8/9 納品
夕方、納品に行く。ナラ材のレギュラーダイニングテーブルと02チェアの納品だ。テーブル、椅子ともにオリジナル。
オーダーメイドの受注を頂き、常に毎回違った家具を製作している中でのオリジナルという事である。だから、それなりに経験を積んだ中での、よりすぐりな家具でもある。だからこそ、オリジナルであって、自信を持って勧めるもできる。
サイズはもちろんの事、微妙なアレンジを加え、今回もオリジナルのテーブルと椅子を「新鮮な気持ち」で納品する事ができた。
「ありそうでない家具」であると自負している。理由は、オリジナルとして確固たる形はありながら、お客さんの微妙な要望の差によるアレンジを吸収する柔軟性があり、常に制作者である僕らにでさえ、新鮮さを失わない魅力を与えてくれる普遍性を持っているからである。
「本当に喜んでくれている」お客さんがいる事が、僕の家具作りの「大きな力」になっている事は確かである。
「その活力がみなぎる事」こそが、明日からの僕ら家具屋の希望にもつながっていく。「感謝」という単純な言葉では言い切れない。



8/6 全身から杉の香り
うわっ!。すごい事になっている。
「杉の木で工房が占領された〜。」そんな気分だ。
カフェ用の家具の製作である。
普段は紅葉樹ばかりで、針葉樹に体が慣れていないので、なにかと占領された気分は大きい。

大きい家具になるので、現場で組み立て、ようやく1つの家具となる。
お盆前の大きな取り組みである、この仕事。気持ちよく夏休みを過ごすためにも、気持ちよく仕事をしたいと思う。



8/5 もうすぐ納品
くるみのチェスト。白塗りの扉を合わせた。
パーテイションのように、空間を区切るように配置する。
ベッド空間と、デスク空間にこの家具によってなんとなく区切られる。

納品前に撮影。
オーダーメイド家具は楽しい。



8/4 ナラの木
ナラのダイニングテーブルだ。ナラには大きな包容力を感じる。
細かい事言ってこないやつである。と、僕は思う。だから頼りにもしている。

椅子は02チェア。背もたれが2本に増えた02チェアである。
2本の背もたれも良いなあ。
値段は2,000円アップだけど、2,000円以上の価値があるような気がした。

納品後に02チェアをまとめ、紹介したいと思う。
というか、一番よく作るくせに、まともに紹介したことがないような気がする。



8/3 木ってすごい
先日、作らせて頂いたキッチンと再会。クルミに白タイルのキッチンである。(キッチンはfurnitureの[for house]にまとめたので御覧下さい。)
キッチンのまわりには、アンティーク雑貨が溢れていた。というか家全体に溢れていた。古い道具が、たまらなく素敵である。
古くなった素材感こそが、アンティークらしい本物時間を放っているんだろうなあ。
椅子だって曲がったりしている。でも最初は真直ぐだったんだろう。永い時間の中で曲がるべくして曲がったり、傷付くべくして傷付いていったんだろう。
そういうのってすごい。永い時間の手仕事みたいなもんだな。
簡単に出来上る物って微妙だなあ、僕は。

ちゃんと作ろうとすれば、それなりの時間は当たり前に必要な訳で、僕としては何にせよ本質的な時間の経過や、過ぎるべく経過した事実の痕跡などを求めてしまうのである。
だからこそ、作る人でいたいんだな。


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