hwb work diary 2005.3


3/30 発送前
もうすぐ発送だ。完成したクルミのチェスト。キッチンで使うために考えさせてもらったものである。
引き出しは目一杯収納でき、奥まで引き出せるので便利だと思う。
使い方しだいではあるが、オーダーメイドという事は既に「こんなふうに使いたい」という想定があるものなので、目的があるだけに役にたってくれる事を願っている。
週末に届くように発送する。名古屋から東京に発送なので1日といったところだ。
お客さんは2回程、お店に来てくれている。直接納品には行けないが、楽しみにしていて欲しいと思っている。

遠くから注文頂けるという事に、すごく謙虚になる。けしてネットで注文するのが楽だからという事でない。どんな丁寧な説明をさせてもらったとしても一番大事な事は、「その物自体」なので、結局のところ「良い家具を届ける事」でしかその謙虚さは伝えれないような気になる。

そうそう、先日、北海道にお住まいの方から注文を頂いた。イタヤカエデのダイニングテーブルである。工房にストックしてあるカエデは北海道で育ったものだ。
出張して、作りに行く訳にも行かないので、完成したら送らせて頂く。実は去年の暮れにお店に来てくれていたみたいで、「あ〜わざわざ、、。」と本当に恐縮してしまう。なんか、うれしいなあ。
これからもがんばろう。



3/27 体とやる気
久しぶりの日記だ。実は一週間程前に、「ギックリ腰」をやってしまったのだ。無理な姿勢で重たいものを持上げた時の事だ。
「無理な姿勢で重たいものを持ち上げる事は決してやってはならない事だ」と普段から注意しているが、油断していたんだな。
作業する事もままならない。カフェ用にオーダー頂いたテーブルと椅子、そしてチェリーのソファ、そしてクルミの学習机、、、。
などなどの材料を仕入れ、段取りも終わり、「よっしゃ」とやる気満タンでかかろうとしていた日だっただけに、残念である、、。
「この僕の燃えるようなやる気はどこにやればよいのでしょう?」と、お医者さんにグチを言ったところでしょうがないので、おとなしく図面やら見積もりやらを昼間からやっていた。
ポカポカと机に向かっていると普段とは違う時間が過ごせる。もっぱら僕の場合、苦痛の時間になる事は多い、、、。
苦痛の一週間も過ぎ、ようやく作業に戻り、家具屋復活といったところだ。
作業から離れ、いろんな事を考えた。4月に2週間ほど時間を作ってお店のリニューアルと春の新作を作る予定であるため、結果この腰痛苦痛一週間も来るべきにして来たと考えれれば、むしろ良い時間であったと考えれる事にもなる。
ポカポカ腰痛一週間で考えた事はいろいろだが、結局、僕が最終的に思うのは「良い家具を作っていこう」という事で、そこに行きつくと、妙に納得でき、安心できる。

さあ、今から脱腰痛という事で、やる事がある。妊娠中のケイコにつき合って、「ヨガ」でもしようかな。
僕はヨガとか苦手だ。



3/19 チークの椅子3
不思議な木、チークの椅子だ。日に当て、色も落ち着いてきたのでオイルを塗る。そしてワックスも塗る。
ホントに不思議な木だ。なんであんなに刃物が切れなくなるんだろう。「砂っけ?」
柔らかくて切削しやすいのに、すぐ刃物が切れなくなる。プレーナー(機械)のジョインタ−刃もまったく切れなくなってしまったので、交換した。通常フルで使っても1ヵ月はもつが、今回は結局この椅子分で既にダメになってしまった。
刃物で仕上げるという日本的な考えはチークには不向きなのかもしれない。耐水ペーパーや金やすりにて削り仕上げる方がチークには合っていると感じた。というか、逆だね。勝手に日本で加工しているだけで、本当は現地の加工方法でするべきなんだろうな。

そうやって考えていくと、もの作りっておもしろい。なるようになるしかないし、、、、素材を手にした時の素朴な疑問も、その素材を手にし、もの作りが始った大昔の瞬間から、繋がっているんだろうなあ。チークを手にし加工した人達は、どう思ったんだろう。聞いてみたい。
その作り手達の感じたそういう感触って、すごく大事にするべき事なんだろうなあ。
家具だけの話しではなくって、物としてある以上、なんらかの素材で出来上っている訳だから、そこで必ずなんらかの試行錯誤があると思う。
ポンッと出来上る訳ではなくて、試行錯誤があっての出来上った物なんで、、、。
「使う人には関係ない」と思うかもしれないが、物を使う人には、今度は「それを使う」という責任があると思う。
僕は、物を簡単には売れないみたい。だから、僕の思っている事ぐらいは伝えたいと常に思っている。作り手としての責任でもあると感じている。
ワックスを塗りながら、そんな事を思っていた。



3/18 キッチンチェスト
クルミのキッチンチェスト。大きな引出し5段だ。ベアリングタイプの専用金物にてスライドする。
たっぷり食器を収納でき、全開できる引き出しなのでキッチンには便利であると思う。
画像は棚口ザンを固定しているところ。
パイプ状の道具は、水道管にはめ込んで使うように考えられたポニーのクランプ。
2メーターの水道管を利用している。それ以上になると水道管をさらに連結して4メーターでもいける。でも締め付けても、パイプが堪えてくれないので、信頼できない、、。
で、それ以上の物はソマックスの2.2メータークランプにて行う。で、さらにそれ以上の場合は、「うまく」やる。
もうすぐ納品だ。



3/17 打ち合わせ
昨日、今日と打ち合わせが続いた。暖かくなってきたので、工房で家具作りに励みたいところだが、打ち合わせも大切な家具作りの一部なので、必要とあれば、じっくり行う。
とくに、内容は決めていないが、話をする中で重要なヒントを見つける事ができるので、その時間は貴重だと感じている。
機能として求められる部分ももちろん重要ではあるが、それ以上にその家具が好きかどうかが重要なのかなあ、、とも思う。
「どんな時間を過ごす家具になるんだろうな?」といつも思いながら、考えている。
機能の部分ももちろん考えているが、あまり熱意的な説明にはならない。僕の手が動き粘度細工を作るような手振りが出てしまう説明の時は、数値や写真では伝えれない感覚の部分を伝えたい時なんで、必死である。くどくなるが、機能的な部分もしっかり考えるんだよ。でも、伝えたい事は別にあるっていうか、、、。いっしょにあるというか、、、。
とにかく、「はいこれ」と簡単に出せる程、物を作る事の責任は軽くないと感じている。




3/13 チークの椅子2
不思議な木だと感じた。椅子の背を削り出していく作業で、思った事。思ったより加工がしにくい。ナラ材なんかよりも柔らかいので、切削する力はいらないので、取りかかりは思うように進む。が、すぐに刃物のキレが鈍る。すぐ刃がきれなくなるという事だ。
加工中、何度も何度も刃物研ぎをする。
今回の背は3次曲面であるので、帯びノコでは2次曲線まで切り落としたら、その後はノミによる手彫り(荒削り)をするしか方法がなかった。
とにかく楽しくも大変ではあった。
完成した椅子は、しばらく日の当たる場所で色の変化待ちをさせている。
チークらしくなったらオイル塗装をする。



3/11 チークの椅子
新鮮だ。すごく新鮮だ。チークである。
椅子をチークで作って欲しいという依頼である。
僕はチークでまともに家具を作った事がなかったので、製作前にいろんな事を調べた。
そしてオイリーな素材なので、ボンドの実験もしてみた。
とにかくすごい。素材のもつ個性が強い。独特だ。
素材からインスピレーションをもらう僕としては、新鮮な素材と格闘している時間は貴重である。
どれぐらいオイリーかと言うと、切削している刃に、粉がオイルによってまとわり付いてくる。たまに機械の回転を止め、刃物のオイル粉を拭き取っている程。
帯のノコで割った印象は、「材が安定している」と強く感じる。通常、引き割ると同時に、材が動きしまったりする。背もたれのアールを大きく帯びノコで荒取りしても、印象としてはピクリとも動いていないようだ。
まだ、サンディングをできる程、椅子の製作が進んでいないので何とも予想でしかないが、ペーパーの目がつまるだろうと思う。
実験ではなんとか持ち応えたが、大きな面では無理そうだ。これこそオイルを浸しながら耐水ペーパーでウェットサンディングを施さなくてはならないかも。
とにかく、不思議な木だ。奇妙だなあ〜。
ちなみに僕が修行していた頃、先輩からもらったチークのハ材は今でも大切に持っている。
この素材を活かすためには、好きじゃないとできないだろうな。
もちろん、僕は好き好きである。



3/9 納品。
納品にて再会。いろいろ再会。左画像は、名前が付けにくいが、グリーンや土ものなどを飾ってもらいたい用の台大小(ナラ)。そして大好きなイサムノグチの照明。そして階段(ナラ)。
右画像は、ソファとテレビ台の間用に作ったロウテーブル(ブラックウォールナット)。これで場ができたよ。
今度行く時は、太鼓ゲームはこの上で勝負です。



3/8 くるみの木
納品前のクルミのテーブルと椅子。
小学校にあるような雰囲気を出したかった。
素朴な品があるものにしたかったからだ。

玄関で接客ように使う目的である。
お客さんとは、もう数えきれない程合って話しているので、逆に僕は信頼している。
「この良さもわかってくれるのは、あなた達です」という気持ちで家具のスケッチを見てもらった。
久しぶりにお客さんに会えるのが楽しみだ。


そうそう話は変わり、春(4月)頃、同じ守山区にあんかけスパを出すカフェがオープンする。いろいろと相談してもらっているんだけど、そこのカフェに同じようなテーブルと椅子を作るつもりでいる。こんなテーブルや椅子だけのあんかけスパゲティーを出してくれるカフェっていいよね。
「いっしょに食器を見に行こう」と誘ってもらったので、今度の休みの日に出かけてくる。
そのカフェのオーナー御夫婦とも通じるものがあって、そんな人達に家具を作る事にすごく喜びを感じるのである。
言葉だけで伝えきれる程、思いやイメージは簡単ではなく、微妙にして大きな感覚の共感なしには、本当に喜んでもらえる家具を作る事はできないと思う。



3/6 キッチン
キッチンに再会。浄水器(シーガルフォー)のタンク取り付けが残っていたので、キッチンに再会できる事ができた。
「すごく使いやすくて」、「キッチンにいる時間が多くなった」と言って頂けるのは、本当にうれしい事である。

アイランドタイプのキッチンだ。カウンターの高さや奥行き、そしてキッチンワークトップ(ステンレス)の奥行き、混合水栓までの奥行き、作業面の大きさ、細かな収納方法など、言い出せばキリがない。とくに奥行きなどのスケールは過ごせる時間が「楽しいものになるか、苦痛なものになるか」の差が出てくる。
カウンターの高さとキッチン本体の位置関係も、使いやすくする事に実に気を配った。
いわゆるヒューマンスケール的な発想で、寸法出しをしていく僕の毎度の試行錯誤の結果、家族参加型のカウンターキッチンにできたと言えよう。

メープルのダイニングと椅子もそうである。その家に合うように、その人達に似合うように、もっと言うならその人達のこれからに似合うように家具を作っている。

また、時間ができたら撮影に行かせてもらうので、詳細は後日という事で。



3/4 納品。
今日も納品だ。僕は01チェアの製作に集中するべく、カツキとタスク(まだ学生で春から見習いになる)が納品に行く。
うれしい瞬間は、「うん、いいね」と素直に思える家具ができた時と、納品し喜びの声を聞けた時である。
とにかく、喜んでもらっているという事は本当にうれしい事なのだ。
3回目となるリピート注文だった事も、よく考えればすごい事のような気がする。
満足してもらえなければ、次なんてある訳ないしね。
でも、常に真剣でいれるのも、「毎回より良い物を」と思っているからかな、と思う。
大切なのは、「どういう家具を置きたいか」ではなく、「家具が来る事によってどういう時間が過ごせるようになるか」だと前々から思っている。
今回の01も良いできだ。作った僕が言うのだから間違いない。



3/2 パソコン
新しいパソコンになった。先日の休みの日(月)に栄町にオープンしたばかりのアップルストアに出かけた。
月曜日なので、比較的混雑していなかったので、こんな時にも世間とはズレている休日を感謝する。
「モニターをひと回り大きくしたい」というのが一番の目的だったので、23インチの液晶(アップル純正)にした。30インチは、でかすぎて「首も動かさんと追い付かんな、これは」と思い、ひとまず23インチで満足といったところだ。
パソコンはパワーマックG5である。よくわからないが、メモリは1.2ギガまで増設した。写真データをサクサク監理したい。

今日記をつけているのは旧パソコンのG4である。データの引越しが大変で、今はもっぱら置き物となっている。
やりたい事は常に増幅しつづけるので、優先順位を付け、やれる範囲で少しずつ進めて行こうと思っている。
全てはより良い物作りをしていくための事なので、大変ながらも楽しくやっていけそうである。

ライ(我が家のネコ)は暖かいモニターの上で寝るのがお気に入りである。
だから気にはなっていたけど、、、、。モニターが液晶になって薄くなっているなんて知らないライは、いつものようにモニター上面の着地点めがけ、飛び込んだ。そして裏側に転落した。あんなに焦っていたライを見たのは、掃除機に吸い込まれそうになった時以来である、、、。ライも僕も新しい環境になれるまでには、しばらくかかりそうだな。



3/1 3月だ。
先日、京都府まで下駄箱を納品に行ってきた。
お客さんとの久しぶりの再会に胸を弾ませ、いざ出発。雪なんてノーチェックの僕としては、高速道路の途中でUターンしたくなるような雪でした。
とはいうものの、山を超えてしまえばうそのように晴々していて、無事何ごともなかったかのように到着。
知らない町なのに、迷いもせずに家の前まで到着し、自慢げな僕。
久しぶりに再会し、下駄箱を玄関に設置し、、、。
喜んでくれた事が、何よりうれしい。
それからキッチンの背面に置くべきカップボードの相談を聞いていたので、打ち合わせをさせてもらった。
近所ではないので、しっかり採寸(いつもしっかり採寸しているが、気持ち的に)する。
「こんな感じのカップボードがあるといいだろうなあ」とイメージをしっかり持てたので、良い家具を考えれそうである。
楽しみにしていて欲しい。


HOLLY WOOD BUDDY FURNITURE TOP PAGE