お客さんと打ち合わせをし、考えてきた家具。いよいよ納品だ。
と、いっても現場に取り付ける必要があるので、まだまだ作業は残っている。使ってもらえる日が楽しみだなあ。
無垢材っていうものは、簡単な気持ちで加工できる材料ではないと思う。毎日、無垢材を加工している僕はそう思う。
加工した製品(板や角材)を材料にしている訳ではなく、その板や角材を作る事から加工は始まる訳だ。
どの部分をどの場所に使うのが良いか判断しなくては、木取り作業は進まない。木取りからスタートである。
ちなみに木取りされる前は、材料として保管された状態だ。その前は乾燥中で、さらにその前は丸太から製材されている状態だ。
扱いは難しいが、その特性を理解し利用できれば、逆に扱いやすい素材にもなる。
特性を理解しなくては、無垢材を加工してはダメな気さえしてくる僕だ。
柔軟に対応できるかどうかは、加工技術ともう一つ大切な事がある。その時々に木に聞いてみないとね。
その時々、その素材を手に持って悩む事しかないような気がする。
だから、素材を手に持てる範囲のスケールで作っていく家具は、僕にとって心地のイイもの作りのできる範囲でもある。
素材を手に持ち毎日勉強しているつもりであるが、それでも知らない事が出てくるから、ありがたい。
木から教わる事は非常に本当に多く、小細工をしたところで自然の力には無力な事も多い。なるようにしかならないが、その方向を良い方に向ける事は幸いにしてできる。ちゃんと言うなら、それぐらいしかできない。だから懸命に取り組む気持ちがないと、木がそっぽを向いてしまうんだろうな。
そっぽを向かれないように、木と対話しないとね。 |