一昨年工房を移転した時に、新たに購入したプレスという機械がある。付板合板のフラッシュ家具を製作するのに、主に使われている。
移転してから1年と半年、使用した回数は殆どなく、場所(2400×1200サイズ)を占領しているだけの存在になっていたので、今回手放す事となった。実際、無垢材の家具作りにも活用できなくもないが、どうも僕とは相性が悪い。僕の家具作りに関して言えば、接着のためのプレス作業も、手応えの感じる事ができるクランプやハタガネを使った方法の方が信頼できるといえる。
同じ家具を作ったとしても、工程、まして加工方法は人それぞれなんだろうが、実際の家具を作っていく中で、模索し納得しながら見つけていくべき自分なりの方法な訳で、それこそ信頼に至る僕が思うhwb的家具作りである。
これは、製作環境や家具のコンセプトによって変化する事ができるアレンジのきく方法なので、むしろ作り方というより考え方の方が大事だと思っている。
手応えを感じるという事は、感覚的な反応をどう返すかなど、微妙なコントロールをしやすい事につながる。僕には合っている。
もちろん、作業効率は重要視している。1部分だけの効率の良さを求め機械に頼りすぎてしまうと、生涯家具作り的効率は非常に落ちると言えよう。作業効率は自分自信を鍛えアレンジのきく職人になっていく事こそに、最大の効率と意味を感じるのだ。
なかなか、ハッキリとしたサイズやスピードを表す事が難しい仕事をしている僕ら職人は、機械の速度に合わせる必要はないと感じる。コントロールするのだ。少なくとも、僕の持っている機械は木別の硬さを判断できない。木という自然素材を扱うだけに、そこが重要なポイントなのだ。 |