今月はハードメープルばかり触っていたので、ブラックウォールナットが新鮮に感じる。
今月中に製作を頼まれている家具がある。今度、本山にカフェができる。そこのカフェからオーダーを頂いていたのが、ナラ材の四角いテーブル5台と丸いテーブル2台である。年末年始にほとんどの加工は終わっていた。納期まで余裕があったため、天板は積んで安定させて保管してある。納品日も迫ってきたので、そろそろ組み立てに入る予定だ。
その他に今月中の納期の家具がある。別のお客さんからの注文だ。ブラックウォールナットの座椅子2脚である。注文をくれた本人が使う訳ではない。
実はこの注文を頂いた時、すでに1月2月のスケジュールは余裕がなかった。が、話しを聞けば、友人の結婚のお祝という事なので、何とかしてあげたくなるのは当たり前。その前に、贈り物に家具をオーダーしようと思ったあなたに感動。
少しそれるが、最近ガツンときた話しがあった。それは、建築家の宇野さんと打ち合わせ中に宇野さんが言った「物は心の受渡し」という言葉であった。同じ材料同じサイズの2つの物があったとしても、思いが入った物は違うという事。思いっていうと重いけど?単純に、作る過程で職人なら職人が自分の最大限のプライドのある仕事をした物は、完成度も違うと思うんだな。すごく微妙な事かもしれないが、パシッとできてる物と、何かごまかしてあるように感じる物の差は、その辺にあると僕は思う。
例えば、「何でもいい適当にやってちょうだい、」って言われると力も抜ける。適当になんてできないよ。ふ〜んって感じだ。
でもそれが「誤差なく完璧に」何て求められれば、力もでる。
物を作る側の意識の問題である以上、心の受渡しなのだ。
宇野さんは現場で、「プライドを持て〜プライドを持て〜」と無言に訴えているらしい。僕は現場でその姿を見たら、体から何か出てそうで笑っちゃいそうだ。
以前お客さんが、「みやじまさんが作った物は何か違うんだよなあ」って言ってくれて、すごくうれしかった事があった。
でしょっ!何か違うでしょ!って。求めてくれるあなたと求められる僕の相互の意識から始り、プライドのある物作りができたおかげでしょう。
鍛えられた鋼のカンナはひと味違うという。もちろん値段も高い。本当にそこまで良いのかどうかは別として、それをコツコツ貯めでも買った僕自信の思いが違うから、使用感も違って当たり前なのである。そして使うだびに、プライドが生まれ浸透していくのだ。 |