hwb work diary 2002.8


8/30 機械の移転
明日、機械の移転だ。昨日、ボール盤だけ先に搬入した。旧工房からの移転する分と、新規に導入する機械分と合わせるとそれなりの台数になる。今までの機械も全て中古機械。(整備もの)コンピューターなどで制御しているものではないし、必要な加工に絞り込んでいけば、中古機械で十分である。もちろん、最新の機械は、コンピューター数値入力ものが多く、それなりに便利だ。
でも僕らには、ノギスという手道具があるから平気。手動式の機械はカンも必要という点でも、魅力的である。

広さと作業高率の事は、この数年間、仕事をしながらいつも考えていた。旧工房の面積は14坪。新工房の面積は28坪+材料置き場10坪となる。
機械の設置場所は、家具を製作する高率に大きく影響する事は言うまでもないが、これが、完璧というものはないだろう。
パソコン上で平面で考える。機械を、あーでもないこーでもないと何パターンも考える。
チェストを作る時は、この機械のあとに作業台での採寸があるし、その前に、本体を先に組んでしまいたいし、、、。
そんな時に椅子を同時進行して製作すると、、、。
きりがない。
という事で、とりあえず的な配置に設置し、不備を感じたら移動していく事にした。
なんせ、僕らの機械にはキャスターが付いて、移動ができるものもあるんだから。
明日、機械が引っ越し完了するとありがたいんだがねえ。



8/26 材料仕入れも
新店舗移転という事で、材料もある程度の量を仕入れる。木材は1立方の単価で取り引きされる。国産材に輸入材、、。
ブラックウォールナットなどの輸入材は、その時の為替にも左右されるのである。1バンド(一梱包)が1〜3立方ある。
そのバンド丸ごと買いする。一番安く購入する方法であるが、リスクも大きい。
バンド買いするもの、丸太で購入して、指定の厚みで挽くもの、比較的均一な材料なんかは、材料をチェックしなくても安定していると信用できる種類もある。
家具を作るには、暑さ27mm板 34mm板 45mm板、、そして18mm版 15mm版もあるといい。
厚い材料を使う時に半分に割って使う事もあるが、いきなり半分にされた材料はバランスがくずれ狂いだす。だから、何種もの厚みをそろえなくてはならない。
丸太の状態では皮の部分がある。材料となると、皮は白太部といっしょに落されてくる。ただ、耳付き材といって皮が落されてないものもある。さらに、中心で割られ片耳付きというものもある。これらの耳付き材は、20%程歩留まりが落ちるという。
メープルにするか、イタヤカエデにするか、、。名前が知られているのはメープルだろう。でも北海道産のイタヤカエデは繊細な木目をしていて綺麗だ。このイタヤやメープル系(産地の違い)の家具に僕らが求めるのはどの部分か、、、。
悩む、、、。アメリカ材でも西海岸と東海岸のものでは質が違う。オークのような荒々しいものは、アメリカのもの。ナラのように、大味の中に繊細さも求めるなら北海道産、、、。見た目もむしろ、加工のしやすさも考慮する。
まったくカンナ仕上げができない材料もある。堅すぎるんだよな。産地の違いで、スカスカの柔らかい材料もある。

思うのは、堅い木が好きという事と、一緒にされがちなメープルやカエデ、オークやナラ、ウォールナットやクルミ、、、それらは一緒でないいう事。そして、どんなデザインの家具に適しているか、木の性質から考えたいという事。代用品は代用にすぎぬという事、、、。
気持よい家具を作りをしていくため、たくさん悩むべき点はある。



8/23 電気工事
3日間、電気工事として電気屋さんが来ていた。機械の動力200V配線、100V配線、コンセントとスイッチ、店内照明、看板照明、など。3日目には工房機械や店内クラー用の200V動力もつながり、試運転。店内クラーが動き出すといきなり快適な空間に。
工房照明は蛍光灯2連のものを12灯。明るく、綺麗な工房になりそうで、今すぐにでも家具を作りたい気分である。
電気配線工事が終了、次ぎは機械の移転となる。



8/14 夏
お盆に田舎にいくと日本の夏を感じる。三河の山へ親戚を訪ね出かける。そこの親戚は林業を営んでおり、もちろん山に囲まれたところに住んでいる。
近くには、山から流れ出る美味しい水というものがある。山の恵みという事で飲んでみた。う〜ん冷たい。
車の窓を全開にしていると、山からはヒグラシの鳴き声が聞こえる。どこから?と気になって山の中を眺める。鳴き声が、山の中の奥の奥の方から聞こえる。天然サラウンドシステムだ。森の中は薄暗い。何なんだろうね、この気持よさ。
僕らは「木」を毎日見ているが、それは材料となった木である。ここから繋がってるんだよなあ、、、。
うん、繋がっていこう。


8/10 電気屋
電気屋さんに来てもらった。電気配線工事の打ち合わせである。完成予想図面は出来上がっているものの、完璧ではない。
午後に、工房床用塗料が届くはず。さらに、建材も届くはず。
夕方、塗料が届き、一気に下地塗装を終わらせる。
と、友達が来訪。アイスクリームがありがたかったねえ。
手作り石鹸もくれた。食べたくなるような石鹸だった。



8/9 デッキブラシ
機械の移動するためには、移動する工房の床は完全に仕上げておきたい。機械移動予定日が近いので、工房の床を塗る事にした。
床はコンクリートであるため、それ用の塗装をする。塗る前にコンクリート部を綺麗に掃除しなくてはならないので、デッキブラシとバケツそしてホースを使用し、ゴシゴシと。暑いのでビショビショに水をかぶっても気持がよい。
掃除ができ、下準備完了である。



8/8 どうしようもない廃材
改装していると、もったいないがどうしようもない廃材がでる。極力再利用できるものは使う。
いたるところに元床達を使っているが、それでも使えないものが出る。
奥の深い問題だなあ。
夕方、美味しいパンを持って友達が遊びに?くる。
パン作りの教室に通う計画をたてているそうだ。
なんだか、楽しそう。



8/6 金物屋
今日も暑かった。とにかく暑かった、、。39度かよ。
朝、板金屋へ出かける。お願いしてたステンレス加工したものを引き取り、車に積み込む。何か聞こえる?「シュー、、、。」
?タイヤ?空気もれてる音?パンク?そうタイヤパンク。
朝の太陽もきつい。暑さと格闘する事20分、スペアタイヤにチェンジ。これこそ汗だく。

車が動くようになり、大須まで金物を仕入れに行く。みんな知ってる原田金物。初めて原田金物に行ったのは、9年程前の事。
大須の桜屋という会社で家具の設計をしていた頃だ。その頃は、キコキコと自転車で、わざわざ遠回りをし、アーケードをくぐりぬけながらのお使いであった。
原田金物の人達の顔ぶれはその頃と変わっていない。そろばんを使用する奥さんは相変わらずハイカラだ。
その当時の同期の仲間が結婚し子供ができた事や、先輩が独立しがんばってる事などを原田金物に行けば伝言ゲームのように教えてくれる。そんな話しをしている最中にも、原田金物は忙しそうに電話の応対をしている。どこかの現場かららしく、電話相手は慌ただしそうに目的の金物の説明をしている。奥さんは名古屋弁で怒っている。よく見る光景である。
原田金物にくる人は、建築や家具関係の人が大半だ。だから、おもしろい。
たまに気になる存在な人を見る。あの人はどんな仕事をしているんだろう?職人?デザイナー?監督?いい刺激である。
原田金物には既に廃盤になっている取手やハンドルも飾ってある。というか、そのままなだけなんだろうが。レトロな雰囲気ムンムンの変色したプラスチック素材の取手を発見し、「こんなんあるんですかっ!」って思わず聞いた事があった。「それ、廃盤よっ」即答。だわな、、。
原田金物には時間が蓄積されているのだ。あの頃と確実に変わったのは領収書の名前が「桜屋」から「H.W.B]になった事である。

これからもよろしく頼んマス。



8/2 合板など
お店の改装も進んでいないようで、着々と進んではいる。壁や天井の下地処理が終わり、明日からペンキ塗りに入る。床、天井の7割は白のペンキで塗りつぶす。その他の部分は、木(構造用の合板)を貼る。針葉樹であるから、ざっくりとしたラフな印象がある。白い壁とラフな針葉樹合板、そして色の濃いアピトン材の既存の床や壁。こうなってくると、だいたいのイメージはつかめてくる。
「僕ららしいなあ」といった感じだ。
だいたいの完成予想図みたいなものはあるが、改装していく行程で、変更しながらより良くしてくのだ。
でも、最初思い描いたイメージが結局一番良かったりする事も多いけどね。


HOLLY WOOD BUDDY FURNITURE TOP PAGE