梅雨の時季は、木にとっては嫌な頃だろう。よく、木には調湿効果があり、室内の湿気を吸ってくれ、また晴れた日に放湿をし、室内環境を快適にしてくれるという。みごとにそうである。
使っているカンナなどの道具も、湿気に影響される。道具などは椿油で油付けにした、油台(カンナの木部の事を台という)や、日頃のメンテナンスでの油拭きなどで、多少の湿気では台が狂わないようにはしてある。じゃあ、製作途中の木はどうかといえば、もちろん木の導管がむき出しの状態な訳だから、湿気の影響は直である。
板を数枚重ねて置いてあれば、一番上の段は空気中にさらされるので、反り繰りかえる。で、ひっくり返して置くと、早い時で15分程で戻り、今度は逆反りしていく。加工していく段階で、乾燥状態から裏表のバランスをみながら、削っているので、裏表の環境が同じならば、よっぽど反りにくい。
家具の場合は、板は箱となり、互いの板がこたえてくれる。
だが、ドビラなどの、中ぶらりんになるものは、それなりの構造にしてやらないと、必ず反る。柾目でも反る。
だから、トビラはフラッシュ構造にするか、しっかりとした框組構造にするのだ。
でも、木だから、反るのはあたりまえの事なんだよ。木+反=板。それを、いかに最小限にするかが、僕らの知恵のみせどころという事で。それでも、そったら自然素材だからと感謝しつつね、、、それは御愛嬌。
でも、湿気を吸った木は反りだし、湿気を出せばもとに戻るように、作ってあるかが、ポイントで、乾燥しきってない木で作られていると、木の乾燥によって反り出す。これは湿気によるものと違い、木の自体の水分の問題。反りながら安定していっているという事で、反りが戻る事はないでしょう。
|