hwb work diary 2002.10


10/30 10月も終りになると、
寒くなってきた。お店の窓から見える、公園の木は紅葉して綺麗だ。
まだ何もない店内に座り、外を眺めながら思う。寂しいなあ、、。
と、センチな気分になってみたが、家具を作り出せば活気が出てくる。

22chestを引続き製作している。このチェストもナラ材で、板組で構成された家具である。
16chestと同じタイプデザインである。
このタイプのチェストは手加工が多く、手道具によってこの木の性質がよくわかる。
やはり、堅い木だなあ。だから家具には良いのだが。



10/22 チェスト
2種類のチェストを平行して製作してきたが、本体が出来上がり、引き出しや扉の加工に入ってくると、使用が異なるため、別々に加工をしていく。
引き出しスライド扉が配置され、家具らしくなってきたチェスト。メールでの特注品である。内部は桐材を使用。
 引き出しの数が多いチェストなどは引き出し内部は桐を使用する事が多い。桐材は軽い。だから、少しは家具を軽くできる。無垢材の家具は重いからねえ。

画像は未塗装のナラ材、チェスト。工房の扉はオイルフィニッシュ済みナラ。木のコントラスト/表情がでる。



10/20 今日は雨
日曜日はお店の改装をする事にしている。今日はお店の入り口のデッキ作り。こんな時に限って、雨だ。
晴れた日は、さわやかに。雨の日はしっとりと静かに。だから、晴れた日も、雨の降る日も好きである。
曇りの日は微妙だなあ。
朝と、夜に、2回に分けて、チェストの組み立てもした。各パーツ、バラバラだったものが、だんだん家具になっていく、この組み立て作業は面白い。お店がオープンしたら、工房でも作業もお客さんから丸見えとなる。普段ヘラヘラしている僕とは違うんだなあ、これが。
単純に集中してるからね。喋りながらでも作れる職人もいるだろうが、僕はダメ。そんなに器用ではなーい。
木と対話しながら作りなさいって教わってきたからねえ。
そんな家具作りをしていると、自分の作ってきた家具の一つ一つの表情は結構覚えているもんだ。
木の表情が好きというと、ちょっと違うかもしれない。木目をプリントした化粧ベニアがあるが、あれは違う。
見た目だけじゃなくて、木の存在というか、感触というか、、、。音だったり、香りだったり、いろいろだよ。
本物の木がいいね。



10/18 建築
チェスト製作に集中していると、アッという間に昼になっている。今日は昼に、建築家具の打ち合わせをする事になっていた。
時間になり、打ち合わせした。その建築はコンクリートの打ちっぱなしに無垢材の壁面を大きく取り付けていく。イタヤカエデの無垢材は接ぎ合わせし、幅900mmのパネルになる。無垢材の反り収縮を考慮しなくてはならぬため、頭が痛くなる程悩み、できる方法を考えた。ふ〜。
打ち合わせが終わり、気が付けば3時。普段は昼間の打ち合わせを避け(昼間は家具を製作したいから)夜にさせてもらう事が多いのだが、今回は、昼間にじっくりと悩んでみた。
その結果、なんとかいいアイデアがみつかったので良かった。
しかし、僕は職人。作っていなければ、家具は少しも出来上がらない。
遅い昼食にパスタを食べる。さあ!残業だー。


10/17 気持のよい天気
秋晴れの中、チェスト製作。しばらく使用していなかった道具を気にかける。カンナとノミ。刃物を研がなくてはならぬが、まだ研ぎ場が出来ていない。水道管までつなげてあるので、シンクを板金し、研ぎ台を作るつもりだが後まわしである。
以前の工房では床に片膝をついての研ぎ(大工がこうしているのをよく見るが、これは研ぎ台のない現場でどこでも研げる様にという事だろう)をしていた。工房なので、研ぎ場も設けたい。
ノミ、カンナが必要となってくる加工も迫ってきたぞっ。う〜ん、しばらくは片膝を付いて床で研ぐとしようかな。



10/14  東京ではデザイナーズウィーク
東京デザイナーズウィークを少しばかり気にかけながら、鈴蘭高原+高山にリフレッシュに行ってきた。友人の別荘に泊り、自然に癒されながらの休暇。久しぶりの完全なオフ。息抜きも必要だと誘ってくれた友人らに感謝しつつ、ナラ材での薫製にチャレンジ。
岐阜の工房で修行させてもらっていた時、「薫製」は料理に手段の一つであった。それは、日常的にフライパンで野菜いためを作るのと同じような感覚で行われていた。今回は簡易の段ボール薫製セットを使用し、ナラ材のチップを香り付けに持参した。
都会での日常生活では、なかなか「薫製をしよう」という気分にはならないが、やってみると出来上がったホタテや豚肉のできはともかくとして、なかなか面白いものである。時間がかかるスモークフードは、僕をゆったりとした気分にさせてくれ、ゆっくりとした時間を過ごさせてくれた。
それから、時代遅れのプレステのダンスゲームにて筋肉痛になりながら、「こんなバカな事すんの久しぶりでしょっ」と友人。「そーいえばそーだなあ。」と実感。
さらに、パーワ−オブテンなどのイームズDVDを観ながら、音楽の塔とポニーのハタガネに感激。あんたはすごいよ!会いたいよ。
ゆったり気分に癒された僕には、ストレートにくい込んできたねえ。

高山では、「綺麗な曲げわっぱ」を眺めれる事ができれば満足であった。繊細な生地の状態のものが見たかったのだが、そんなのはある訳ないね。ガラスケースに展示された、漆仕上げ(拭き漆)を施したものはあった。手にとって眺めれないではないかっ。
あ〜、いいねえ日本って。そうそう、「漆」って英語にすると「JAPAN」なんだよ。
また一つ確実なものを見つけたような気がしたね。



10/11 ナラ
新しい工房は、ナラ材の甘い香りでいっぱいである。チェストは箱もの。だから板作りをやっている。木柄が美しくなるように組み合わせるのに時間をかける。これで、家具を表情が決まりかねんからね。
数枚の各部の板(パネル)は反りが出ないように、工夫をしながらはぎ合わせる。天板と地板とでは行程を少し変えるのも、理由がある。完成したチェストが少しでも永く使えるようにするための工夫だ。



10/8 chest
チェストの製作に取りかかっている。2タイプ。同じナラ材のチェスト。脚のデザインや細かい使用は異なっている。
共に、メールで注文頂いたものだ。
お店と工房の改装で、ずいぶん待たせてしまった。
新しい工房で家具を作りながら僕は思った。「納得のいく仕事をきちんとしていこう。」と。

道具のコンディションは、使う人のコンディションがそのまま出ていると思う。
気持よくカンナの刃が研げる時は、例え忙しい状況でも、すごく静かでいられる。納得のいかない時は、落ち着いてない時だ。
静かに燃えたいねえ。そうそう。
毎日、コツコツとね。



10/6 打ち合わせ
お店はまだ、完成していない。でも、訪問客も多い。
先日、子供づれの夫婦が、新しいまだ未完成のお店だが、テーブルの打ち合わせに来てくれた。
イタヤカエデとハードメープルの仕上げ見本を用意した。昔、作ってそのままとなっているソファなども並べた。お店に並んでいるのは、そのソファと試作で作った椅子、そして以前の展示会で製作した作品60チェスト(レジカウンター背面収納用)のみである。
気持の良い土曜日の正午。窓からは桜の緑の葉が見える。少し、暑いが日射しは気持よい。まだ未完成の店内から眺める外の景色は、僕らを心地よくしてくれた。ヒバの木の柱材の端材を積み、その上に天板を置いただけの仮設テーブルに、これまた、未完成のコーヒーセット。でも、店内に流れていた音は未完成のスピーカーとは解らないだろうけど。
工房があって、僕らがいて、、。展示家具はないけど、お客さんには欲しい想像の家具がある。それで、家具は作れるんだよなあ、、、。


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