hwb work diary 2002.1


1/28 材料を
材料の選択には、いろんな意味で時間がかかる。簡単にこれって決まる場合は、お客さんの好みがはっきりしている場合が多い。
木の事に詳しい人程、悩みに悩む。それが、楽しい時間なのだろう。
濃い色目の木、薄く白い木、木目がハッキリしている木、光沢のある木、柔らかそうな木、見た目の違いは性質の違い。
僕らが家具に使っている木はそれなりに選択したものなので、構造面や耐久性には問題ないとしても、水まわりや外部となると、水に強いものがいいでしょう。が、結局、最後は見た目で選ぶのをお薦めする。似たような木でも微妙なんだけど、その差は大きいからね。なんか違うんだよ、なんか。
悩んでいるお客さん夫婦を見て思うのであった、「どれもいいですよ」って。



1/24 ただいま  
キッチン、壁面収納は収まり、明日はカウンターの納品だ。カウンターは特に取り付けはなく、置くだけである。メープルの無垢材が綺麗に乱反射して見えるアールのカウンターだ。やっぱり無垢材は深みがあるなあ。
アールを削るのは、予想どうりそんなに面倒ではなかった。でも、カンナの刃、3回研いだけど。
気がつきゃ今年ももう終りじゃん。速いなあ。あっという間に過ぎた1年だったよ。
でも、仕事を振り返ってみると、それなりに、時間が過ぎたのも納得はできる。今年の始めに、メープルのダイニングテーブル作らせてもらったお客さんがいる。確か、製作途中を見たいと、工場にやって来てくれた事があった。映画マトリクスのキアヌリーブスのような黒革のロングコートのお客さんは、出来上る手前のテーブルを見てすごく感激してくれた。でも、僕は革のロングコートがホコリに汚れそうなのが、気になって気になって、。なんか、申し訳ないような変な気分だった。
30日の夜にパーティーに誘って頂いた。なんか、緊張するなあ。でも、すごく好きな人だ。とても、50代とは思えないアクティブな人だ。「あなた達、若いんだから手ぶらでいらしてよ。」って、さっぱり言ってくれるとこも好きだ。
30日はダイニングテーブルに再会する訳だ。なんか、うれしい。



12/25 ゴルゴンゾーラ
今日はなんか忙しかったなあ。いろんな事したからな。
午前は雑誌の取材。慣れないインタビューと、照れくさい写真撮影があったので、カタコッタ。
的は家具でなく、僕ねらい。だから、照れくさいんだろう。作った家具に関して話す事はいくらでもできる。どこを見られても恥ずかしくないよう心掛けているから。でも、僕個人はダメな部分いっぱいあるので、僕ねらいの取材となると恐縮してしまう。
 午後は、打ち合わせに出かけた。今度作らせてもらうキッチンの打ち合わせだ。お世話になっている設計事務所で、設備器具や、引き出し、トビラなどの仕様を詰めていく。お客さんの希望をできるだけ形にしたい。もちろん、木材知識や構造面からのデザイン的なアドバイスはさせてもらって、より良いものにしていく。お客さんとの距離感が近くなればなる程デザインに自信が持ててくる。そういった意味でも、打ち合わせは非常に大切だと感じるのだ。
夜は、別件で打ち合わせが入っていた。移動しながら、頭の中を切り換え。
 置式のチェスト、ベット、テーブル、デスクなどを作らせてもらう。デザインの変更は構造の変更であり、予算も変わってくる訳で、その辺の細かい部分の打ち合わせだ。
次回までの宿題をかかえ、途中、ラーメン屋により家路についた。



1/23 なかなか、逆目はとまらんでしょ。
今日は、非常勤講師日だった。今年、卒業していく子達がいる。卒業作品が出来上がればの話しだが。
メープルで大きな棚を作っている子がいる。その棚は、正方形や長方形の互換性のあるサイズで仕切られている。なんでかっていうと、すっぽり入る大きさの柔らかくて四角いスツールを収納するからだ。ウレタンクッションの四角いスツールは、ファブリックを立体裁断し縫製したもので包む。しかも、チャックで取り外しできるというもの。名古屋には大塚屋という多種多様な布を小売りしているお店があるのだが、そこに、何度も出かけ選んできた布。それを、夜な夜な、ミシンをかけているらしい。
昼間は、学校で木部を加工している。メープルの組み手が加工された板が数枚。今日はそれをカンナがけ。朝から開始して、実際板を削り出せたのは夕方だった。じゃあ、それまで何をしていたか?かんなの刃を研いだり、台直ししたり、台直しカンナの刃を研いだり、台直しカンナの台を直したり、、。彼女、気は焦っただろうに、、、よくがんばったよ。カンナって道具は簡単には使う事はできない。気が遠くなる程の微妙な調節をして、やっと使える道具だ。
 クルミで座卓を作っている子がいる。厚めの天板は2枚をプレスしたもの。材料の選択に、悩んでいた。分厚い一枚の板。学生という予算のない状況の中で可能なかぎり、そこはこだわりたかったのだろう。しかし、分厚い材は値段も高い。材料もそう簡単には見つからない。そんな事から、プレスして、厚みを出す事となったのだ。今日、彼は授業後、かなりへこんでいた。ノミでの加工を失敗したからだ。作り直さなくてはいけない部分が。これって、へこむよね。時間がかっかてる分へこむよ。わかるよ、わかるけど、がんばれ。そんなのを見ていると、「ちょっと、かしてみな」って、やってしまいそうになる。それではダメだよね。
だから、見てみぬフリで思うのだ。「失敗は成功のもとだ」と。
 家具作りの修行をしている友達がいる。先日、げんのうで自分の指を叩いてしまい、指の骨が砕けたらしい。砕けてんだからかなり痛いだろうに。添え木と包帯を、修行のじゃまになるからといって、外してでもやろうとしているらしい。
 去年の11月、僕は左の人指し指先端をほんの少し機械で削り取ってしまった。鎮痛剤を飲みながらの作業で、しかも、毎晩、夜中までのハードな日程。倒れるかと思った。でも、今じゃ、指もピッコロのように再生してきている。でも感覚はもどらない。
コピーアンドペーストじゃ、家具はできん。生々しいいが、体を動かし、道具を使い、汗をかき、そんで物は出来上がる。
作り手は、きっと物の出来上がる喜びを知っている。ものすごい、リアリティーを感じる瞬間なのだ。



1/21 すごい雨だ。
台風でも来たかの様な天気だった。材料を仕入に行くつもりが、あまりの雨のすごさに予定を変更。2月から3月に、納期が集中しているのだが、どれも製作にかかれない。納期の早いものほど、肝心な部分が決定しておらず、3月納めのチェスト、やテレビ台を無理くり前に作ってしまうかである。が、そこまで間がある訳でもないので、微妙だ、、。
と、いう事で、仕事の整理をする事にした。段取りの確認や終わった仕事のファイルやらだ。
午後になると、雨も小降りになってきたので、材料を保管場所に取りに行く事とした。材料屋さんへの仕入れは、また日を改めたので、在庫しているホワイトオークの板を20枚ほど工場に運び入れ、家具を作る事にした。
ワイドチェストのサイズ変更したw 1600のチェストだ。材はホワイトオーク。足の付いた置式の家具である。
丸テーパーの足は挽きものではない。平鉋による削り出しだ。挽きものにしないのには訳がある。構造によるんだけどね。
で、今、工場の中にはオークの臭いが充満している。ナラ材いっしょ、甘い香りがする。僕は好きだ。
家具屋らしく感じる瞬間だ。らしくね。



1/20 ハンガーの付いた棚を取り付けに。 
去年の暮れに収めさせてもらったMさん宅にキッチンのハンガー棚を持って遊びに行ってきた。
去年の暮れから、新居での生活をおくられている。
「キッチンがすごく使いやすい」とうれしい言葉を頂いた。画像では、ちょうど入ってないが、L型にガストップが続いている、で、ガスレンジの下をオープンのステンレスの2段の棚を設けてある。いろんな調理器具や、ボトル類などの収納を考え、天板と同じくステンレスの棚とした。本体や引き出しはクルミの無垢材。トップや棚はステンレスと、素材の良さをいかせる様に適所に使ったつもりだ。オーダーメイドだからこそ、細かい対応ができるのかもしれない。今度、ワークルームのテーブルを製作させてもらう事になった。使いやすくて美しい、そんな部屋で仕事をしたいものである。


1/16 ベットやチェスト 
図面を仕上げている。次、製作するのは、ベットとチェストと、それにダイニングテーブルにリビングテーブル。と、デスク。
お客さんがデザインを気に入ってくれればの話しだが。
バーチ材でのクリアラッカー仕上げ。ベットのヘッドボードは成型合板によるもの。チェストは引き出し幅の広いものだ。1200mmあるので、スライドレールを使用し滑らかな引き出しとする。
テーブルはまだ悩んでいる。ガラストップのダイニングテーブル。ガラスは透明なので足のデザインが重要であろう。ある程度の大きさがあると足がしっかりしていないと嫌な感じに揺れる。だからといって太くしただけの足では、あまりにも味気ない。しかも、シャープな繊細さを求められている。だから、難しい。
なんとか、明日には、しっかりした図面を仕上げたい。



1/11 斜はテーパーというのだ。
前面が斜め引き出しは上から見ると、何もないみたいに見える。今、製作している洗面台は天板とその下の引き出し部は25mmの隙間をあける。引き出しの高さは正面から見て、135mm程度のものだ。で、引き出し前面がの傾斜で倒れている。
そうすると、普通に見ると引き出しは見えんくなる。
そうか、そうだよな。テーブルのヌキなんかですっきり見せるためにテーパーとる事もあるもんな。
引き出し、まるまる見えんくなるのには驚いたけどね。

昨日、実はめちゃくちゃ落ち込んでました。お店にするのに、いいなあと思っていた物件、ダメになってしまったから。
あそこなら、いい感じにいじれそうだったんだ。タイミング悪くて、他の人が借りてしまった。
う〜ん、難しいねえ。
他にも数件あるんだけど、あれが一番建物的にはよかったんだよなあ、、、。へこんだ。
まだ、まだ先は長そうです。



1/8 広重 
今日は非常勤講師の日だった。夏から一つの家具を各自製作しているのだが、そんなにポンポンと出来上がってくる訳はない。何ぶん、家具を作る事が初めてな子ばかりなので、失敗しながら進んでいるという状態。でも、そんな失敗などの経験が後にきっと役に立つ事だろう。
そういえば、正月休みに高島屋で開催されている広重展を見に行った。アレだけの数を見るのはたいへんだ。で、赤瀬川源平の広重百景という本を購入した。なんとなく思うんだけど、サザエさんのマンガって広重タッチじゃない?なんとなくだけど。
展示会で思い出したけど、今、大阪でイームズ展やってるよ。グルビのやつね。時間あったら行きたいね。



1/7 仕事はじめ  
大掃除ができなかった事もあり、仕事はじめは工場の整理整頓をする事となった。普段から掃除はよくする方なのでそんなに汚れている訳ではないのだが、切り落とした半端な角材がたまっていた。これは整理しようがない。種類も寸法もまちまちだから、一まとめにしておいた。
それから、機械の刃物交換をした。手押しカンナ盤、自動カンナ盤と、刃物を交換し、精度をチェック。自動カンナ盤の調子がおかしい。削りに誤差がある。450mmの上磐幅で左いっぱいと右いっぱいで0.04mmの差。これは、一度整備が必要かも。しばらく、その誤差を踏まえて作る事になりそうだ。
午後からは、いよいよ家具の製作となり、交換したての機械でハードメープルを削った。流石、よく削れる。気持イイくらいだ。
今、製作しているのは、洗面台だ。陶器の水受けをメープルの無垢板に埋め込むものだ。洗面だから、水がかかる。天板に直接かかる。と、いう事で、塗装は防水性のあるものにする。
午後、何本か新年のあいさつを兼ねた電話を頂いた。こちらこそ、お願いしますという気分である。去年の暮れに見積もりをした仕事が数点決まってきた。本当に、ありがたい事である。



1/6 明けました
新年という事で、気分だけは新たに、引続き業務日記。
今年は、お店を開くという明確な目標があります。それを、一つの目標として実行します。
どんな形で僕らの家具をお見せする事になるかは、まだハッキリとはしていませんが、じっくりと考え、安易なものでなく、自信を持ってお見せできるように日々を過ごしていきます。
だから、がんばります。


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