hwb work diary 2001.8


8/31 「1?」
まな板とおぼん、ほぼ完成した。残りの仕上げや塗装などは、NCの加工待ちという事で一段落。
 いよいよキッチンの仕事にかかっている。昨日の夜に材料を仕入れた。今回の家具だけで、1?の材料を使用する。1?ってどのくらいかというと、1m×1m×1mの材積である。昔は「1職人1リューベ(?)」って言って1人の職人1年間で1?の材料を使うと言われていたらしい。
で、仕入れた板の厚みは、34mm、27mm、18mmと3種類。主に27mmで製作。引き出しや鏡板、裏板など18mm板。デザイン的に、厚くしたい部分などに34mmだ。木の種類は胡桃(クルミ)だ。みみ付きの材である。みみ付きというのは、木の皮の部分やしらたの部分(使える部分は赤みの部分、丸太の皮から4cm程度の部分がしらた。ぱさぱさで柔らかい。)が切り落とさずに製材したものだ。で、製材され、天然乾燥、と人工乾燥をした後、材料として売られているわけだ。
ちなみに人乾材というのは、乾燥室で、しっかりとした管理のもとに、日常ではありえない程の強制乾燥をさせ、木の含水率を気乾含水率(日本年間平均15%前後)以下におとしたもどし材なのである。天乾だけの材と人乾までかけてある材をくらべると、その差はやはり、材の狂いにくさにあらわれる。
話しはかなり反れたが、そのみみ付きの材料は、歩留まりが悪いのだ。それは、みみやしらたの部分は使えないという事から、そうなるのだ。しかも、その、まったく使えない部分を切り落としていかなくてはならず、一手間でもある。でも、このクルミはとても綺麗だったので、このみみ付きを使う事にした訳である。
しばらくの間、しらたを切り落としながら、木取り作業をしていく事となりそうである。



8/28 あっという間に日が流れ
今日で29才となった。そんなに年は意識しないが、誕生日がやってくるのがはやい。と、いうか毎日毎日があっという間に過ぎて行く。去年の今頃は、展示会の作品製作をしていた。あれから、1年たつとはどうしても思えない。
でも、そんな毎日の生活が好きである。今日という日を大事に、一生懸命過ごす。仕事をしているだけかもしれないが、平日が充実している事がうれしい。忙しいくらいに、毎日を過ごす。今の僕にはそれが似合っているような気がするのだ。ゆとりなんて、まだ似合わない。洒落臭いのだ。日本の休みは、おぼんと正月である。だけど、僕はあまり好きじゃない。勝手に決まった休みの時に僕も休みたい気分とはかぎらない。平日のバランスもくずれるしね。休んでるより仕事してる時の方が幸せなんて、へんなのかも。
それは言い過ぎかもしれないが、忙しいからこそ休みも楽しいのだろうね。だからこそ、毎日をただただ一生懸命に過ごすのだ。
夢があるからこそがんばるってもんだ。



8/27 さくら、くるみ
箱50ヶも作り終え、本業の大きな家具にとりかかりたいのだが、その前に、小物の製作をしている。キッチンの仕事を後に控え、作るスケールの違いにとまどいを感じそうである。いずれにせよ、素材は木なのでやってる事は同じだ。ただ、キッチンの仕事に入ったら、しばらくそれに付きっきりとなるのは明かだ。だから、その前に小物の仕事は終わらせるべきだ。
で、その小物というのは、おぼんとまな板である。ブラックチェリー、ブラックウォールナット、胡桃、楓、と、なかなか良い材ばかりである。
とくに、相性を考えてみると、これまた面白そうだ。まな板はだ円形のもの。面(角)の形状がなんとも、だ円とバランスがとれていて絶妙だ。ただのぼうず面(一つのR)でなく複数のRからなるなめらかな面なのだ。ついでに板のすみには穴があいていて手掛けとなっている。
 とてもよい、うん。でもね、この面大変だ。この面をとるために刃物、特注した。そんで、刃物自体大きいので、うちの機械では危険なうえに効率悪いときた。と、いう事で、面の加工は外注する事となったのである。NCルーターである。
NCルーターとはコンピュータ制御の切削機である。今回の大型の刃物を使うような場合、安全なやり方ですすめないと、大変な事になりかねない。
で、NCで加工できるように、というか、板にするまでも結構たいへんなのだが、せっせと板を作ってるわけだ。
楓、胡桃、桜、といろんな臭いがする。当たり前だが、臭いはそれぞれ違う。あまいような香り、、、。香りて言葉で伝えれんね。桜は桜だし、ナラはナラだし、、。でも、特徴はあって、何の木を加工しているか香りですぐわかる。
で、今、工場はいろんな臭いが混ざってる状態なのだ。
これで、工場は広く使える。小物だからこそ、ある程度の数を作れる。一番効率良くできそうな数で一気に作っているのだ。

明日、保管していた箱50ヶは納品だ。そうそう、箱ように箱もつくった。段ボールでできた箱の中に、木でできた箱が入っているのだ。



8/23  完成
台風も何ごともなくすぎ、穏やかな、秋の気配さえ感じるね。
箱50ヶもいよいよ完成し、ほっとしとります。
こうやって積み上げて使用するらしい。同じ材料で作ってあっても一つ一つ表情が違う、でも、それは全体として見ると、バラバラではなく、存在感のある雰囲気を造り上げるのだ。
まさに、木の魅力の一つだ。
こんな、なんでもないデザインのボックスだが、集合するとすごいものがあるね。
さて、気分をかえ次の仕事にかかりたいが、納品はまだ先のため、このまま保管しなくてはならないのだ。



8/21 かんなばっかり
カンナをかけまくった。だって箱50ヶだもん。ひたすらカンナ。

ラジオからは台風情報が。この辺来るらしい。やだな11号。台風はきらいだ。大雨で浸水したらどうしよう、、。
箱50ヶが浸水したら、泣けちゃうかも。
去年の9月に、この東海地区に大雨の災害があった。東海豪雨だ。確か、あの時も浸水の心配をしていたような、、。
何ごともなくすぎていってほしい。



8/20  ムイテナインジャネー、タダノカゼ。
この夏、うちを騒がしていた2人が明日からこなくなる。だいたい、うちの工場は家具を作るのに狭すぎる。そんでもって、今かかっているレコードボックス(50ヶ)の仕事は場所を取るときたもんだから、狭い工場に男3人はかなり賑やかだった。
その男二人は、共に木工技能専で家具の修行中なのだ。で、夏休みの間、うちにやって来たのである。家具修行に燃えている二人は夏休みさえも、いらないらしい。そんで、うちで何か一つ家具を作りたいとやって来ていたのだった。
しかし、あもりにも、仕事のレーコードボックス作りがはかどらない。予定をはるかに超えたオーバーワーク。それを見ていた二人は、まるで、自分の仕事が追い込まれているかのように、いっぱいいっぱいになりながら手伝ってくれた。で、毎日、3人でひたすら板を箱に加工していく事となった。
最初、ぎこちない動きだった二人も、すっかりこの狭い工場にもなれ、ときより職人的な華麗な動きさえみせてくれた。あー楽しかった。毎日、たいへんだったけど、その分、いやその何倍も楽しかったな。
本当にご苦労さん。何か、しばらくの間、夕方になったら、『プシュッ』って缶ビールを解放する音が頭の中で聞こえてきそうだ。

まだまだ未熟な職人達よ、励め励め、そして語り合った夢を叶えよう。



8/16  ひさしぶりじゃ、この日記、遊びほうけてた訳じゃない
今、お盆をはさんでかかっている仕事は、レコードがはいる大きさの箱である。簡単な板で組まれた構造の箱。370mm×370mm×370mmの立方体である。材料は栓の木。加工のしやすい良材である。
で、この仕事が予想以上に手間がかかる。数が50ヶだから、ひとつひとつの行程に、かなりの時間を要するのだ。
で、今の心境としては仕事でいっぱいいっぱいな状態なのだ。
でも、頼もしい助っ人が手伝ってくれるので、かなり助かっている。というか、一人で、全部やる事を考えると恐ろしいぐらいだ。
やってる事は量産。でも、ラインもないし、NCもない。だから鉋がつかえる男3人で、並んでせっせとひたすら作業。
なんか、いつもとは違うやる気がでてくるのが不思議である。板200枚をサンディング終えた時は、なんという達成感だった事か。
集塵機に集められたカンナくずは45リットルの袋で32杯分。うーん、なんともかんとも。
汗もかけば、ビールもうまい。今年の夏は、よー飲むなあ。
きっと、栓のにおいで、この仕事の事を思い出す事になるんだろう。
完成した時には、50ヶつみ上げるぞ。



8/9 ひ〜
忙しい。



8/4 納品終了
納めてきました。3台の同じホワイトアッシュで作った家具。右のカップボードは棚板が4枚入るタイプ。左上のは低く小さめのチェスト。引き出し4段に、CD、本、をちょうど収納できるオープンの棚を配置。引き出しには、取手、ツマミなしで、引き出しに直接手掛けをあしらった。左下は、6杯の深めの引き出しばかりのチェスト。服など収納向き。

家具が完成し、納品を無事に終えた時、やっぱり気持がよい。納期に間に合う事は当然の事だけど、それでも、何がおこるかわからないから、ホント納品を終えた時はホッとする。

さあ、次の仕事にとりかかりまっせ。


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