hwb work diary 2001.11


11/27 現場
カフェの現場でなくて、次取りかかるキッチンの現場に採寸にいく。大工が入ってプラスターを軽量鉄骨にビスでうっている。マンションなので、隣との壁はコンクリート。吊り戸棚がある。コンクリートに穴あけんとかん。アンカー打たんとね。ヒルティーで穴あけるけど、僕もってないよ。現場の監督兼大工さんに取り付け手伝ってもらう事になっているので、ヒルティー貸してもらいましょう。床、天井、壁、採寸してきたが、わりとレベルでている。壁も転んでいないし。家具の逃げも少なくて住みそうだ。

メープルの材料とSUSシンク天板。楽しみである。



11/26 う〜ん
おかしいなあ、何か忘れているようなあ、、。なんだろう。あっそうだ、アジャスターだ。床レベル悪すぎだし、水つかるし。
ってことは、寸法が変わる?いや、大丈夫、幅木の高さ内部で収まるから大丈夫、でも7mmだけはアジャスターの底プレート分、出るから、結局高くなるか、うん、7mm高くなる。イヤ待てよ?もともと床レベル出てないから、どこが基準になるんだ?う〜ん現場で考える事にしよう。って感じで現場持ち越しにした部分が結構ある。
壁は確かプラスターボードだから、プラグ打ち込まんとタッピングきかんなあ。それか、胴ぶちに揉みつけるかな。でも胴ぶちの位置悪いと、変なところにビス頭が来る事になって、ビスキャップなんてものをしないといかんくなる。ビスキャップかっこわるいしなあ。
カウンターの天板張り替えはどうするか、もともとは50mm厚の集製材の天板、たぶんホワイトアッシュにクリアラッカー塗装を施したもの。それは、汚れて黒ずんでたり、塗装がすれて剥がれていて、艶もまばらだったり。とにかく、イイ味にはなってない。
集製材だからなあ、木目も綺麗じゃない。だから、その上に新しい天板を貼る事にした。オイルフィニッシュでなく、ピカピカのウレタン塗装の予定。刷毛塗りだけどね。最近新しい、イイ塗料を知ったんだよね。それ使ってみたい。高いけど。ウレタンなのに、水性なんだよ、これってすごくない?しかも、変なもの入ってなくて安全だし。こういう塗料発見できた瞬間すごくうれしいね。
自然塗料はオーガっぽくていいんだけど、確かに天板なんかには不向きかも。輪じみが出来やすいからなあ。そういった部分にはいいだろうね、この水性のウレタン塗装は。

話しが急にぶっ飛ぶけど、最近新しい電動ドライバードリルを購入した。12ボルトでパワフル。充電もあっという間にできる。
本体はつや消しで緑(この瞬間メーカーわかる)、バッテリーは黒で艶あり。このバッテリーの黒艶具合がたまらなく好き。どんどん穴あけたくなるね。げんのうも新しいのを購入。大、中、小とサイズをそろえる意味で買い足したんだけど、そのげんのうには竜と虎の刻印がしてある。縁起ものだね。
そういった、塗料や使いやすい道具との巡り会いは大切だと感じる。仕事も、また少し楽しくなるってもんだ。



11/24 塗装はまだ
カフェの家具が大分出来上がってきた、もちろんまだまだ時間はかかるが、塗装できる段階のものを作業場の隅に方でかためたある。なるべく場所をとらない用に上へ積み上げる。天板は壁にもたれかける。
天板はカウンター用と、キッチンの作業収納棚用である。ありがたい事に、家具に関しては一部を除いて、デザイン、素材、製作まで全て任せてもらった。だから、素材を実際に加工しながら、細かい寸法などは、やりやすい用にバランスのいいように微調節できるのでありがたい。天板は、キッチンだから、ステンレスがいいのかとも悩んだが、木でいく事にした。キッチンといっても、そのカフェは火を使う料理(油もの)をだす事はない。あくまでも、珈琲を中心とした考え。で、キッチンは珈琲を入れる場所になるという事でしょう。とにかく、清潔な印象は外せない。メープルの天板が合うだろう。で、体面するお客さんが座るカウンターの天板は濃い色の木でいくとしましょうか。カウンター事体は既存のものがあるので、天板のみを交換する。やっぱり、ブラックウォルナットでしょう。深みのある木目が落ち着いた雰囲気を出してくれるはず。
店内のテーブルは黒。デコラトップにラワン材の積層断面。足はコストの関係からスチールのもの。もともとあったベンチに座面クッションを。そして、2人がけのソファが2台対面に低いテーブルを囲む。この席は贅沢だよね。オープンシェルフをパーテンションを兼ねたディスプレイに。予算の事もあるので、いろいろ工夫を。オープン日迫る。



11/23 勤労感謝の日 
僕の場合、仕事はたんなる労働とは思っていない。やらされている感がない。肉体的な疲れはともかくとして、精神的な部分は、一つの仕事を完成させる事によってのみ癒される。たくさんやる事があって休めない時こそ、突進していくかのように、ひたすら仕事に没頭する。そうすれば、逆に楽しくなってくる。どうやって段取りを組んでいけば、スムーズに楽しく仕事ができるか、そんな事を常に考えている。その、頭で考えた計画どうりに、体がついていった時、僕はホントうれしい。なんか、命令する自分と、それを行動させる自分がいて、その両方のバランスが上手くいって、ものすごい達成感が得られるのだ。
で、逆に計画どうりに行かない場合は、落ち込む。で反省。何がダメだったんだろう?って捜す。たいていそんな時は真剣さが足りん事が多い。仕事する前に、既に自分に負けてんだろうね。
この仕事は、自分に勝っただの負けただの、そんな事は僕の中だけの問題で、お客さんにはまったく関係のない事。関係なくもないか?でも、「いやー、このテーブルには勝ちましたよー」「実に快適に仕事ができました」ってお客さんにいきなり言うのは変でしょう。「このオークの木は堅くて、カンナはかからんし、、でも、この荒い木目がダイナミックで出来上がると、また使いたくなるんですよ、もう、カチカチでホント刃はきれんくなるし、重たいし、でも、いいんですよね。もし、材料が跳ねて木っ端が飛んいこうもんならば、大変ですよ、この前、傾斜盤で、かき取りしていたら、切り残った木っ端が上手い具合に飛んで、アルミのドア刺さって、抜くの大変でしたよ」って、お客さんには関係ない話しかもね。でも、僕はそれがすごく楽しい。
今日はそんな事を考えながら、仕事しました。


11/21 そろそろ師走っぽい。
工場の中は今にぎやかだ。今、取りかかっている仕事はカフェの家具一式、それと、別の仕事で、作り付けのキッチン、収納などの家具一式を同時進行している。両方とも、納期が近く、実際そんなに時間はない。年末の仕事になる訳だ。もちろん、ある程度の予定を組んで、納期から逆算して製作にかかっていく訳だ。ずでに、この段階で間に合いそうにない家具も数点。この状況を説明し、物理的な問題として、お客さんの方に告げる。
カフェの方は仕事的には、比較的時間はかからないと予測。既製品の足を、天板に取り付けてテーブルにするなど、時間のかからない部分も多い。コスト面での工夫は、結局、時間短縮となっていく。そのカフェ、今流行りのものとは少し違うかも。珈琲が上手い。だって、珈琲の入れかた等、めちゃくちゃこだわっている。「パスタとか出した方がいいっ!」て経営コンサルタントの人の意見に、「いやだ」と。それは、もはや自分のやりたかった事とずれていくかららしい。その目はすごく純粋で熱い眼差しでした。思わず、どこまでも応援したくなる。気持イイぐらい、やりたい事が伝わってくる。イイ人に知り合えてうれしいなあ。
きっかけは、ホームページだ。最初、メールをもらって、工場に来てくれ、打ち合わせして、現場にいって、、、、。
今じゃ、自分の事ぐらいにカフェのオープン日が気になる程だ。僕より年は上。ハーレー乗りのいい感じのお兄さん。でも、「改装に予定以上の出費がかかりそうだから、ハーレー売らんといかんかも」って寂しそうに、楽しそうに言っていた。何かいいよ。
この仕事をしていて思う事は、お客さんがすごく熱心で純粋である、そして、その部分に僕が触発される事が多い。
何もない所から、何かをつくり出す想像力とパワーは、ただただ、純粋な夢から始まるんだなあと思う。夢を叶える瞬間の希望と不安の入り乱れた、貴重な時間に携れる事が、僕にとってはすごくうれしい。この緊張感が心地いい。

とりあえず、カフェに置く2台のソファ木部は完成。ファブリックの加工のため貼り屋さんへ行く。もちろん、ファブリック関係のもの全部できてからだけど。



11/9 在庫も場所がいるって事で。
ダイニングテーブルの天板が出来上がった。ブラックチェリーの木は、高い。2年程前に購入して在庫していた分があり、それで、製作している。テーブルと椅子、両方ともブラックチェリーだ。木取りをしていくと、材料が在庫分全部使い切っても少し足りない事が発覚、、。早速材料屋さんに相談。が、そこにもない。ブラックチェリーは高すぎてあまり流通してないのだろうか。
27mm板ならあるらしいが、それでは薄くてテーブル、椅子にはダメ。
で、お客さんに相談。事情を説明し、「テーブルの足をブラックウォールナットでやらしてもらえないか」と。
そしたらお客さん「いいですよ、足の部分が濃くなっていいんじゃないですか」と。
ありがたいやら、申し訳ないやら。
もう少し、大量に在庫をかかえれるようにしないとなあ。ほんと、場所がいる仕事だと痛感。
作った家具を見せれる場所も欲しいし、、、。来年、holly wood buddy のお店オープンできるのか?
作っているのは自分達だから、作っている事を、作れる環境がすごく大事。holly wood buddyとして家具屋をはじめてから、今の工場でたくさんの家具を作ってきた。比較的大きな家具を作る事が多いので、広いスペースをすごく必要と感じる。もちろん、3年程この場所でやってきて今思う事であって、最初から広いスペースを必要と感じていた訳ではない。小さい(14坪)ながらもいろんな工夫によって、成り立ててきた部分もあるが、やはり、無理を感じる事が多くなってきた。
うちの工場にやってくる人は工場を見て、綺麗だといってくれる。それは、常に掃除をして、綺麗にしてるからだ。掃除してないと仕事する場所がなくなってしまう程狭いという事だ。そんな地道な3年あまりの経験から、家具を産み出す工場事体の環境が、いかに大切であって、どれほど意味のある事かを、ひしひしと痛感しているのだ。
一人ではじめたholly wood buddyが今後どう変化していくかは、わからない。でも、こうして行きたいという夢はある。
技術と感性を持った仲間ができればなあ。




11/7 キッチンの
残っていた吊り戸棚を取り付けにいった。これで、全て納めた事となった。ステンレスの天板と無垢のクルミの相性もよさそうで、養生を全部外して見てみたかった。が、まだ内装の方が出来上がってないので、そこはがまん。傷がつかないように養生。
内装の方が完成したら、写真を撮って、またここに画像を貼るつもり。
なんか、すごくいい家だったなあ。いろんな部分にこだわりを感じたよ。出来上がりが楽しみである。



11/5 テーブル
椅子とダイニングテーブルを作っている。組み合わせのできる形の天板だ。だから、2台作っている。椅子もそれに合わせてデザインしたもので、4脚。座面はファブリックになる。といっても中のウレタンは薄いものを使用するので、弾むようなクッションの座ではない。安楽椅子ではない。この家具をどんなふうに組み合わせて使ってくれるのだろう?面白い家具になりそうである。



11/4 第35回名古屋国際木工機械展
えー、テーブルの納品をし、昼から木工機械展にいってきた。場所はポートメッセなごや。天気もよく、久しぶりの港という事もあり、気分はすこぶる快調。しかも、納品の帰りという時間を、すごく上手につかっている感じが、たまらなくよい。
へー、35回目なんだ。すごいよね。第1回目の時の木工機械はどんなものだったのだろう?
で、今回の木工機械展、セミナー、講演会などは参加できなかったけど、やっぱり実物の大型機械が見れるのがいいね。
しかも、ほとんどの機械が動いている。20メーター程ある機械が、プログラムどうりに木を削っている。各メーカーが自慢のマシンを動かしているので、結構うるさい。でも、そこが製造機械の展示会のいいところだと思う。
それから、実際に機械を動かし木を切らせくれる物もあった。
ドイツの、ALTENDORF(アーテンドルフ)っていうメーカーの横切り盤、あれ欲しい。
すごく使い勝手が考えられていて、精度もよさそう。デザインもオシャレ。つーか、それって大事だよね。見た目がイイだけじゃ、こまるけど。いいなーあんな機械。便利そうだなあ。欲しいなあ。でも、買えるわけない。しかも、持ってる機械とだぶるし。10年後ぐらいかな。
中古機械で精度がでてれば十分と考えていた僕の価値観が少し変わったかも。カタログのうたい文句は『アーテンドルフには、オーナーであることの誇りと喜びがあります。』と書いてある。何なんだ、この自信は?まるで、車ではないか。うーん実際にいいからなあ。ぜひ、日本の木工機械メーカーもがんばってもらいたいものだ。使い勝手をさらに良くする事はもちろんの事、見た目もかっこよくして欲しい。重圧で陰気なデザインを何とかしてもらいたい。使い勝手からくる鮮麗された美しく頼もしいデザインの機械をぜひ作ってほしい。そこらへんは素直に見習ってもいいのでは?
デザインって大事ですな。


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