hwb work diary 2000.12


10/2
展示会をおえて

大きな240坪の会場をはじめてみた時、こんな大きな空間をコントロールできるのか不安がおそいました。
でも、それ以上にその倉庫のもつ独特な雰囲気にやられました。ぐぐっとくるほど神聖で、おおきな存在を感じました。壁が反響させる音と、高い位置にある窓から入るやわらかな光りが教会を連想させ、こんな空間で家具の展示会をやりたい、って強く思わせてくれたのです。
今回の展示会のタイトルはDEPOT。直訳すると倉庫です。なぜこのタイトルにしたかというと、倉庫での展示が、僕の中で、ひとつの目標でありました。秘密めいていて、それに僕にとってはものすごく身近であり、親しみのある場所でもありました。物を作るには場所はかかせません。工場や倉庫というものは、たぶん、ボロボロになっていくものです。物を作る空間はそこで、産み出された物の記憶を蓄積して、いろんな傷後を刻み込んでいく訳です。その、傷跡こそが本物で、重く重く、僕を引き込ませてくれるのです。
今、いろんな日本のメーカーの物が海外で生産されています。もちろん人件費を少しでもかからないようにと考えれば当然な流れだとは思いますが、それでは、メーカーとして本当の姿はここにあらず。と、感じます。そんな事を考えていると何だかやりきれんくなる事もしばしばで、、。職人さんよ、なくならないで。
と、そんな事も踏まえ、今回の展示会のタイトルをDEPOTとしたという訳です。
でも、実は最後まで迷ったもう一つのタイトルがありました。それは、今回の展示会自体のコンセプトの中にあります。わかりにくいかもしれませんが、それは RESONANCE=共鳴 です。空間で、いろんな共鳴をひき起こせればと考えました。音との共鳴、家具との共鳴、人と心との共鳴。それぞれが、共鳴しあって出来た空間は、まさにholly wood buddy furnitureの理想とする家具がつくり出す雰囲気なんではないのかと。
そして、ものが作り出される、工場や倉庫の時間が蓄積された非住空間を家具を配置する事によって住人を感じるような住空間にできたらと。
           
さて、depot=倉庫での展示会はいかがでしたか?倉庫の住人を感じる事ができましたか?この展示会、6日間で、約350人の人に来て頂きました。holly wood buddy furnitureの家具を、そしてスタイルを沢山の人に見て頂けた事をすごく嬉しく思います。      
これは終わりじゃなくはじまりです。どうか、また会える様にと願いつつ、僕は明日からも家具を作って行きます。
それでは、最後になりましたが、本当にありがとうございました。これも、いろんな人達が応援してくれたおかげだと思っています。今回の展示会をバネに、さらなる、家具製作に励んでまいります。今後ともholly wood buddy furnitureをよろしくお願いします。  

2000.12 Hiroyoshi Miyazima

DEPOT 2000.11/21〜11/26   holly wood buddy furniture IN-teractive EX-hibition


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