hwb work diary
2005/4

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4/26 納品

カフェへ納品だ。午前中ものすごい雨が降っていた。午後、うそのように天気は快復し納品に出発。デリボーイで3回往復した。
愛車デリボーイでの納品はもうすぐできなくなる。排ガス規制で乗れなくなってしまいハイエースに乗換えるからである。
残念だなあ、、。10年だもんな。独立してから一緒に時間を過ごしてきたからなあ。
デリボーイはスタッフのカツキに譲る。岐阜で登録され、まだ廃車にはされない。できるだけ長く使って欲しいな。
へんな規制だな。昔、のっていたバイクがある。SRってバイクなんだけど、、。空冷シングルエンジンでバイクらしいバイク。セルなしでキックのみ。タンクなんか何度も試行錯誤しながら自分でペイントしたもんである。でもあの別れは結構納得いったものだったような気がする。
ちょうど修行先も決まり、バイクから軽のワンボックスに乗換えようとしていた時に、寿命というべきか、エンジンがいってしまったからね。
勤めていた会社に退職願いを出したその日の夕方、夕日の奇麗な丘の頂上あたりで、ガツンッ!とエンジンから最後らしい音がなり、ピクリとも動かなくなってクラッチきった状態で丘を下ったもんな。サイドスタンドをたてバイクを眺めて、「そうだな、そういう事だな」と妙にこれから先の過ごすであろう時間と重ね妙に納得できた。
デリボーイに関しては、本当に困るようなアクシデントもなく10年過ごさせてもらった。素直な車だな。そうそう、デリボーイもペイントしたんだよね。70年代のハイエースのオリジナルカラーらしい。塗料屋さんでカラーサンプルを見て、その緑がかったアイボリー色に決めたんだよな。
スギさんと二人で、夜中に知り合いの工場を貸してもらい、エアガンで全塗した。真冬だったから、ものすごく寒かったのを覚えている。
今度はハイエースになる。物を大切にするには、まず納得して購入する事からはじまるのかな。
ものすごく車の選択には悩んだ。納品に使えるサイズである事や、メンテナンスの事や、すごすべき時間の事や、、、。
その他最終的に候補になって最後まで決めかねていた車がある。それはベンツのトランスポーターだ。T1Nだ。こちらは中古で検討していたけどね。まるでデリボーイを大きくしたような車。ただ大きすぎたかな。
日本の車も、もう少し良いデザインを考えてほしいなあ、、、。
話は大きくそれたが、納品は無事終了。
正式にカフェがオープンしたらまた報告させてもらいます。


4/25 隙間から

窓のルーバー。「子供が小さいので、窓が恐い」と相談を受けたもの。
ロックの付いた観音開きできるコウシ扉である。
木の隙間から入る光や風はやさしく暖かだ。


4/22 木的なもの

カッティングボードだ。まな板だ。クルミぐらいのかたさが良さそう。実際使っていると感じる。
今回は贈り物として3枚注文頂いた。これをラッピングしてこちらから直接、送らせてもらった。
僕はありそうでない、質の良いものを求めている。すごく普通っぽくても、与えられる時間の質に違いはあると思う。
木は傷がついて、汚れて、そしてくたびれていく。そのくたびれ方が何とも言いがたい程、美しくて魅力を感じる。
だからとって最初からくだびれてような演出は極力しない。職人としてしっかりきちんと作る。一点の傷やほこりさえも気になってしまう程のクオリティーで完成させている。でも、使い出せばすぐに傷も付くし、汚れ出す。
あくまで時間とともに使いながら自然にくたびれていくべきだと思う。
傷や汚れは使った時間の分だけつけば良い。愛着を持って過ごす事でしか出せない、本当の古さと奥深さを感じる価値ある物になってほしい。


4/20 素朴な夢
心技体、、、。
いろいろな人から声をかけて頂き、本当にありがたい。
聞くに、年齢が30代前半にギックリ腰をする人は多いみたい。30代になったら、それなりにメンテナンスが必要な体だという事でしょうか。
実際、そういった体のトラブルを経験した職人は多く、またそれなりに克服して仕事に励んでいる。
使い捨ての体でない以上、メンテナンスも必要であるし、むしろ上手な使い方を学んでいかなくてはならない。
一生家具職人として励みたいならばこそ、とても大切な事だと言えよう。
僕は、生涯家具職人でいたいと思っている。もちろん、出来上る作風や周りの環境は変わるとは思うが、木を削りもの作りをするという生活だけは変えたくもないし、変わりそうもない。まだまだ、ほんの入り口にいるだけだと思っている。
新しい家具を作り出す時の緊張感、木と格闘する平凡な午後、その日の仕事を振返り反省や喜びを感じる夜、そして完成した家具を見ながら多くを考える。そんな毎日が1日でも多く続けばそれで良い。
それが僕の生涯かけての夢でもある。
真剣に取り組む物作りが大好きである。


4/17 
守山のカフェの家具も全部完成し納品を待つばかりとなった。近所に気軽に行けそうなカフェができる事は素直にうれしいものだ。
オープンされるのは、もう少し先だそうだ。いろいろ準備もありそうだしね。

それから、今日は家具の納品があった。チェリー材のソファだ。ギックリ腰が完全に完治するまでは、納品も行けない。で、ソウタとタスクが納品に。
製作前の打ち合わせから製作中まで、何度もお店に来て頂いて話をしながら作っていっただけに、納品は行きたかった。
お客さんも、残念に思ってくれたらしく、申し訳なくもありがたく思った。
ギックリ腰になって、いろいろ迷惑をかけてしまって本当申し訳ないと思う、「ちゃんとせなかん」と心から思う。
っている。


4/14

テーブルと椅子。素朴な雰囲気になるよう単純に考えた。材料はクルミである。
近所にオープンするカフェ用に作らせてもらったものだ。オーナー夫婦とは食器を見に行ったりといろいろ楽しく仕事をさせてもらった。メニューにはあんかけスパゲティ−があり、僕としてはうれしい。
あんかけスパは名古屋独特だよね。
もうすぐ納品である。


4/7 

桜が大分咲いてきた。春は、暖かくて活動的になれるから好き。
暖かな春に感謝である。でも、ギックリ腰が微妙であるので、気持ちも微妙である。
さて、画像はもうすぐ納品の家具である。カウンセリングルームで使う家具である。春にカウンセリングルームをスタートさせるお客さんから依頼して頂いたものだ。部屋を採寸させて頂いたのは去年の11月の事であった。依頼して頂いたのは夏頃だった。
いよいよですね。
そうそう、僕の腰痛は少しづつではあるが、回復してきたような気がする。普通に横になって寝れるようになったからね。

整形外科に毎朝通院し、リハビリ中の僕。「どのくらいかかりますかね〜」と聞く。「急になった訳じゃなく、長い時間かかって蓄積したようなもんだから、そう簡単にはいかんよ」「筋肉の中に乳酸がたまっていって、限界がきた時になるんだよ」と。「とにかく今は筋肉がカチカチになっているから、マッサージして乳酸を出す!」「乳酸?」
振返れば、自分の体に無茶をしてきたような気がする。がむしゃらな思いが、しらないうちに体を痛めつけていたんだと確信した。今は自分の体をメンテナンスしてやる事が、これからの家具作りとっても大切なんだと。
秋には父親になるし、あまり無理はしないように心掛けよう。
僕の家具作りと同様に長い時間で考えよう。


4/6 学習机

僕は納品に行けない。なぜかと言うとギックリ腰をまたやってしまったからだ。
先日の土曜日の事だ。近所のカフェ用のクルミテーブルを、元気に作っていた時である。油断した訳ではなく、まだ完治していなかったんだな。
本当にショックだった。悔しくて泣けるよね。お客さんの励ましがすごくうれしくて、また泣けるよね。

今日、入学式という事で、納品した学習机だ。兄弟それぞれ1台づつある。
天板の下は引き出しになっている。本当は僕が納品に行きたいところだが、行けないのでしょうがない。腰が治るまで安静にしていないとダメ。
とにかく、土曜日からいろいろな事があった。また落ち着いたら書きたいと思う。


4/3 発送前

これはソファである。チェリーのフレームにクッションをのせるタイプのソファである。板が40mmあるので、存在感がでる。
なんか贅沢である。無垢材でこういう構造を作るには、知識と経験をミックスさせるしかない。
これが、ベニヤのフラッシュ構造なら、ビックリする程簡単にできる。
そこの違いが、ベニヤの家具と無垢材の家具の違いである。僕らからすれば、ベニヤはまるで木でないかのように作っている。
同じ家具だとしても別物だよ。


4/2 ワイドチェスト

ワイドチェストだ。1800mmサイズに少し小さくしたオーダーである。
お客さんには、いろんな事情で製作を待って頂いた。依頼を頂いたのは去年の夏であったから、、。
この1800mmワイドチェスト、そして、先日既に納品させてもらったオーバルタイプのイタヤダイニング+01のイタヤ。そして来週完成するバックスキンのコンフォートソファ(バックスキンが似合いそう。高価だが素材はいい、、、)。
アメリカから一昨年前に仕入れた5立方程のブラックウォールナット在庫がなくなってしまい、ある程度の料と質の材料を仕入れるのに少し時間がかかってしまったという事。
北海道から仕入れたイタヤカエデ1立方が、去年の台風の影響で乾燥中の不具合によるシミが深く、まるまる1立方返品せざるおえなくて、天板やら結局作り直したりとしていた。
納得できる状態にする以前に、どうしようもない自然の理由などに悩まされてしまった。
お客さんに事情を説明させてもらうと、「いいよいいよいつでもいいから、宮嶋さんのいいように作ってもらえれば」、「わかっているから」と言って頂いて、なんだか熱いものが込み上げてきてしまう。
昔、ある家具屋さんの社長が僕にこう言った。「鉄は熱いうちに打てっていうだろ。だからお客さんの気持ちが熱いうちに売れ!」
でも、その時僕が思ったのは「何を言っているの?ノリで買うもんじゃないでしょ」という事だ。
「本当に欲しいものは、そうやって手に入れるものじゃないし、売るもんじゃなくて作るもんでしょ」と強く思ったものだ。
なるようになるというか、、、行くべき人のところへ行けばいいんじゃないかなあと。



4/1 できたよ〜。

チェリー材のロウテーブルである。
弟夫婦にプレゼントしたいとの事であった。だいたいの希望のサイズを聞かせてもらった。
「どんな家具を作ろうかなあ?」と悩みだすのが、僕のいつものパターン。が、今回は依頼主が知っている人だったので、すんなり納得できてしまった。打ち合わせ中に、僕のスケッチですぐ決まった。というか、決まる決まらないという事より、納得できたかどうかであるが。
とにかく、いいもんができた。ハッとする。



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