W  O  R  K    D  I  A  R  Y

2004/5

back
5/28 梅雨はいやだなあ。
明日は納品だ。お昼から、ソファやテーブルを搬入するので、雨だけは降って欲しく無い。
晴れるかなあ、、、、。


5/26 椅子
椅子は好きだ。単に座るための道具ではある。でも物として存在しているはずの椅子に対して、ある意味それ以上の空気を感じれる。やばい人と思わないで欲しいが、僕は椅子と会話をしている事が多い。椅子のまわりの空気を読んで感じ取り、「そうかいそうかい」と動かしては空気を読む。まるで、変人のような行動かもしれない。
人に使われている時のその場の食器の音や会話が連想されて来るからか、椅子を見ていると会話が聞こえてくるからだ。

来月、1人用(パパ用)のウッドアームソファを製作する。お店に展示してあるウッドアームソファに座って微笑んでいたその人を思い出しては、うれしくなる。
そのお客さんには、以前にチェリー材でカウンターチェアを作らせてもらった。そして、5年の歳月が流れ、来月子供用のカウンターチェアとパパソファを作らせてもらう事となった。

画像上のイタヤカエデ仕様の01チェアはイタヤカエデのダイニングと組み合わさって今週末納品する物である。
下の画像は新作の新しい構造を持つソファである。かなりの間温めてきた新作ソファが、こうやって今お店にある事は僕にとってすごくうれしい事なのだ。このソファとオットマンもダイニングテーブルと椅子といっしょに土曜日の午後に納品する。温めてきた新作のソファがお店に展示するより先にお客さんのお宅へ行く事は、正直寂しくもあるがそれ以上にうれしく感じる。最高のハレ舞台である。
「ベビーチェアも考えて欲しい」と相談を受けた。納品で仕事が終わってしまうそのお客さんとの関係は「ベビーチェア」という椅子で少し時間が延び、なんだかうれしかった。感覚を共感できる事に年齢差は関係ないが、同じくらいの年の夫婦ある。感覚を共感してもらえた部分が多く楽しく家具を作らせてもらった。

先月、02チェアとダイニングテーブルを納品させてもらったお客さんには、カップボードを考えさせてもらっている。仕事とはいえ、再会できる事は本当にうれしい。カップボードへの想いをしっかり受け止めれたのは、それだけ伝えてくれた事が背景にある。

さらに、先月ソファを納品させてもらったお客さんのお父さんの家に昔からあるソファのクッションの張替えを頼まれ、なぜか本業ではない「張替えを」するために椅子張り屋さんに事情を説明し頼んでいる。来月イタヤのまる脚のテーブルを作らせてもらうので、再会した時にはお父さんの感想を伝えたいと思う。「恐そうなお父さんだった〜」って。

僕は仕事ばかりしている。仕事と言ってしまえば味気なく感じるがそれが僕のライフワークである。僕のライフワークには、いろんな人との出会い、想いがあり、明日もがんばろうと想わせてくれる出来事が多く、物作りを通して感じる事はまさにライフなのである


5/25 デジカメが
壊れたっ。デジカメが。う〜ん。「買った方が安いよ」、、。嫌な言葉を思い出す。
修理センターに問い合わせるが、やはり結構費用がかかるみたいだ。なんと早いサイクルの消耗品なんだ。タフさに期待しチタンボディーの物だったけど、中身の方が先に壊れてしまうとは思わなかった。扱いが荒かったのは確かだが。
工房で使っている電動ドリルもそうだ。バッテリーがすぐに壊れてしまう。修理なんて受け付けてくれない。いっその事、使い捨てと言うのなら、ホームセンターで販売している1万円級の充電ドライバーの方がいいのかもと悩んでしまうではないか。充電式は止めた。
日進月歩ねえ、、、。
それで結局、新しいのを購入する事になった。
携帯性や便利機能を優先するのは止めた。デジカメではあるが、できるだけ綺麗な写真を撮りたい。
結果、今度のデジカメはシャッタースピードや絞りを調節できるものにした。他のコンパクトデジカメと比べ、スタイリングだけを見てしまうと気に入らない点が無い事もないが、綺麗な写真を撮るための形と思えば納得できた。
あれやこれやと撮影し、カメラに慣れようとがんばっている。
これで少しは木の質感も表現できるようになればいいなあ。


5/23 納品です
すごい雨だった。家具を積み込む時になって急に雨が激しくなってきた。天気予報では晴れるはずだったのにね。
少し待っていると、雨が止んだ。チャンス。早速、積み込んで納品に出発。
ちょうど雨もあがった。

「malica」というお店。もうすぐオープンする中国茶とケーキのカフェ。
完成直前のお店の空気感は好き。だんだん組み立ててきたものが、いよいよ完成しそして動き出す予感がたまらない。
クルミ材のテーブルと01chairを作らせてもらった。
クルミ材の質感がすごくよく似合い、うれしく感じた。


がんばってね。
6月3日にオープンするそうです。
ホームページがあるので見てみてちょうだい
marica


5/19 芝生 
今日は、念願の芝生を張り替えをした。実は、お店のオープン前に芝生を貼ったんだけど、うまく根付かせれなかった。
冬に無理矢理、行った事が良くなかったのかまったく新芽が無い状態で、今日迄見守っていた。
その時は、オープンの事もあって焦っていたので、庭師の方にお願いしたんだけど、結局自分達で手をかける事になった僕らだった。
芝生を張り替える気持ちとしては、痛い思いもあるが、既に新芽が出ている芝を手に心は弾んだ。
家具作りとまったく違う工程だけど、共通する事がある事に気が付いた。
素材を持った時に感じる喜びは、「それを大事にしてやろう」という愛情になり、そして僕にエネルギーを与えてくれる。
休みの日だというのに、「手伝いたい」と言ってくれたソウタとケイコ3人で1日がかりで芝を張り替えたのであった。
「手伝ってくれてありがとう」と言うと、「これで、芝を張り替えた経験が出来た」と楽しそうにソウタ。
絵を書くように黙々と芝を張り替えようと予定していたが、この楽しみをソウタと共感できた事は、それとは違う喜びも得られ、なんとも充実した1日を過ごす事ができた。
普段、仕事で作っている家具も、同じ気持ちで作っている。
改めて思う事は、物作りは苦労もある。だが、その分楽しめる事なんだ、と。
大きく言ってみれば、毎日の生活も事柄一つ一つの積み重ねの1年も2年も同じで、苦労をしながらでもがんばって生きていく事が、僕の人生の楽しみ方なんだろう。なんでも来い。


5/12  

ホームページをリニューアルするべく、時間を見つけては、家具の写真を撮影している。パソコンの画面で、その質感までは伝えれるかどうかわからないが、素直に楽しんで撮影している。
01の椅子と納品前のオーバルダイニングテーブル。今回、製作したオーバルはクルミ材。組み合わさる01は実際のものとは張地が違うが、木はブラックウォールナット(これもクルミ)。この組み合わせは好き。オーバルは1435mmの大きさで、4人で使える。自分でも思うが、作ったすぐより後になってからの方が良く見える。
丸い天板を持つやさしい木のテーブルを作ろうと思ってから3年以上経過して、ようやくやる気が出て製作し、形になった時はうれしかった。
少し見える脚部をつなぐヌキは当初なしで考えていた。試作をしながらの形作りなので、良い悪いは体感できる。あきらかに構造的に弱く本体自体がゆれる結果、ヌキを追加していく事となり(ゆれるのは承知の上のチャレンジである)、全体の構造を微妙に変更していった。この構造の微妙な角度や厚み、さらに重さや質感のバランスを見極めるのには、経験に伴うセンスが必要である。まして、新しい構造となると思わぬ、弱点や木を無視した加工をしようとしている事に気がついたりする。「自分の想像してきた家具がこんなもんだったのか」と、木工をやめたくなる程むなしくなる瞬間だ。
それでも、粘り、必要以上でもなく以下でも無い、バランスが見つけれた時は最高にうれしいもんである。作っている時に違和感を感じないプロセスは気持ちの良い物ができる事が多い。良いものができる予感がするというか、、。

でも、それ以上に今回出来上がったクルミのオーバルは良い。だって、展示用でなく使ってもらえるんだもん。クルミが天板として使われる事に、僕はものすごくワクワクし、予測するのであった。


5/11 休日
久しぶりの2連休。いそぎの仕事があったので、なかなか休めなかったこの2週間。そのおかげで、充実した休みを過ごす事ができた。
やりきった後の休みは格別だ。むしろ、常にそうでありたい。
自分の事や家の事をしようと思うだけで楽しくてしょうがない。
欲しかったルイスカーンの建築本を買ってきた。
まだ、開けていないが、あるだけで満足している感もある。ゆっくり眺めたいと思う。
雨が降っても、天気になっても、なんでも良く感じた休日だった。
明日からまた忙しくなるが、まったく焦らない。逆にワクワクする。
どうやって段取りしていくか、妄想計画と、具体的行動。
木が待っている。


5/6 ゴールデンウィーク
連休となるとリズムが崩れる僕は、世間にあわせて休むのが好きでは無い。
仕事のキリがついた時に、休みたいのでマイペースでいつもどうり仕事をする事が多い。そして、01の椅子を完成させた。

ただ、連休となるといい事もあった。連休を利用して、わざわざお店に来てくれる人達がいたりと、普段とは違ったのんびりとした時間が過ごせたような気がする。

自分がいつもと変わらなくても、周りの雰囲気が平和なので、連休は好きだ。

今日は午前中、なんだかゆとりがあったので、家具の写真を撮影した。
自分が自信をもって作った家具達なので、撮影するのは楽しくてしょうがない。
最近はデジカメばかり頼っているので、写真撮影の本来の楽しみを忘れているような気がする。今度ゆとりの時間ができたら、公園に家具を運んで撮りたい絵がある。
その時は、デジカメで撮るのは休もうと思う。
きっといい写真が撮影できるだろう。すごく楽しみなんだ。


5/1 空気感
今日は、午前中に宇野さんが設計したお宅へ、製作した建具などを見に出かけた。
先日のオープンハウスの日は、たくさんの人が見学にみえたそうだ。
僕がその場にいたら、このクルミ物達の事を必要以上に話してしまったに違い無い。
でも、どんなに話しても実物にはかなわないので、行けなくて良かったかも。
とにかく、この家を設計した宇野さんとお客さんが、喜んでくれる事が何よりうれしい。ホントにうれしい。
今日で引渡しだそうだ。
現場では、職人さんがタッチアップをしていた。
「いよいよ、お客さんが住み始めるんだなあ」と人事ながら、すごく気持ちの良い気分にさせてもらった。

ずっと前から、思っていた事がある。しかもそれは最近僕の中で確信的な事となった。

豊かな想像が、創作意欲をかきたて信じられない程のパワーを生みだすという事だ。
時間の感覚もかわり、本当に楽しい作り手になる。

僕には夢がある。それは、今はまだ僕の想像の世界でしかすぎないが、ものすごく豊かで、毎日必ずパワーを与えてくれている事だ。

木に囲まれた緑豊かなところで、時間の感覚を忘れそうな家具屋になる事だ。
おじいちゃんになっているかもしれないが、人に感動を与えれる程の家具作り生活をするのだ。
自分で道路を作ってでもやってやる。
そう思っている。

僕がそんな想像を夢を描けるのは、僕にいろんな事を教えてくれる人達のおかげである。僕に水を与えてくれるそんな人達には感謝してもしきれない。

さあ、何だかパワーが出てきたので明日は01chairが完成するかもよ。

画像上 クルミ材の面材を作らせてもらったキッチン。設計は宇野さん。

画像下 建具は、玄関や浴室も含め全部で6本。この質感の
ドアは僕しか作れないだろう。
ドアハンドルは独立したてのスギさん作。

back