W  O  R  K    D  I  A  R  Y

2003/12

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12/31 今年も終わりですね。
あっという間に過ぎた1年でした。
仕事をしながら、お店作りをして少しずつオープンする日がリアルになってきました。自分達が納得できるまで、「うん」とは言えず、長期にわたり準備をしてきました。
自分達の力で納得できる物に到達する事こそが、僕らhwbの物作りの核となっています。それだけに乗り越えなければならない時間が必要でした。この奮闘してきた時間と乗り越える事ができた時間は、僕らをより素直にしてくれます。
自分は何なんだ。自問自答をし、納得できた事は、むしろ当たり前の事が多くありました。その当たり前の事を素直に表現する事の勇気は素直になる事でもあるような気がします。

今年1年、じっくり自分達のお店と向かい合う事ができた事に感謝をしています。頂いたメールは僕の励みでした。
ありがとうございました。
年が明け、もう少しお店作りをしたら、オープンの案内を送らせて頂きます。
それでは2004年も良い年になりますよう。

holly wood buddy furniture
代表 宮嶋 浩嘉


12/20 雪なので。
家具が出来上がったので納品に行くか迷ったが、雪が降ったので、断念。同じ守山区にお住まいなので散歩がてら納品に行こうと思っていたが、慣れない雪によるアクシデントで納品前の家具に支障をきたしてはいけないので、晴れるのを待つ事にした。
スタッドレスタイヤだったらサンタクロース気分になれたのになあ、、。
ブラックウォールナットのダイニングテーブルと、01chair、02chairの各2脚ずつの組み合わせだ。
ブラックウォールナットで作った02chairは始めてだ。やっぱりフレームが綺麗だなあ。
紺色のファブリックが、よく似合うダイニングだ。


12/17 ダイニング
完成したダイニングセット。6人用のテーブルである。
メープルで作った2メートルの天板は重い。
メープルやカエデの木は部屋を明るくしてくれる。
ものすごく堅い木なので、使いがいがある。
僕らの作る家具は本当の木なので、何十年経過した時にその魅力が増すものである。
使い込んだテーブルは、角が少し丸くなり、天板は綺麗な飴色の光沢が出ているだろう。

椅子はオリジナルの02chairのフレームにウェービングによる弾力のある座をファブリックで張りくるんだものだ。
02chairのフレームは、僕が何年見ていても飽きないので、自信を持ってお薦めできる。
いいものはいい。
もうすぐ納品だ。


12/15 円卓
メープルで製作した円形のダイニングテーブルと椅子。
ネットでオーダーを頂いたものだ。ネットで注文頂く場合、メールで図面やスケッチなどを送り、どんな家具を作るかを打ち合わさせてもらっている。今回のお客さんは名古屋近郊であったため、家まで打ち合わせに行かせてもらった。

4人が食事をするための円形テーブル。確かに四角テーブルより、テーブルを囲んだ食事ができそうである。


12/12 妄想から現実へ
今は夜中だ。寝むれない。なんでかっていうとワクワクしているからだ。スギさんに製作をお願いしていたキッチン用のレンジフードが出来上がって、3時間程前にスギさんによって取り付けられたからだ。
展示用のキッチンも、製作に結構長い時間をかけている。集中して取りかかれないのも理由のひとつではある。で、特注レンジフードが出来上がり、キッチン完成までもう少しとなった。
これだけ長い事時間がかかっていると、自分の作ったものを客観的に見ている自分になっている。
思ったんだけど、物の存在は意識しなければ以外と見えにくいものなんだなあって。

で、レンジフードが取り付けられたので、早速と換気扇のスイッチをオンにし、その隣のレンジフード内照明もオン。
レンジフードの照明と換気扇作動中お知らせ青色発光ダイオードが、その下に配置されていたキッチンをより違和感なく自然に存在するものにしてくれた。そうだったんだ、時間だけ過ぎていた訳ではなかったんだ。これを作ってきていたんだ。
スギさんは今度の春に独立する。「いつか一緒に仕事ができるといいな」と夢を押し付けあった日々を振返った。
懐かしき日々と目の前にあるキッチンを見てグッと何かが込み上げた。
眠りから目が覚めたような、、、。
自分達がやってきている事を改めてリアルに感じる事ができたので、ワクワクして恐い。

いろんな事を同時進行せざるをえない状況だったので、大変であった。同時進行しているからといって、力を分散させてしまっては意味がないので、全てに全力で取りかかってきたつもりだ。1日中妄想しながらの具体的行動の日々は、まだ続きそうだ。
この意識できない程静かに、そしてものすごいスピードで過ぎていった時間は、少なくとも僕、そしてケイコ、カツキ、ソウタにとっては、振り返った時に気が付くことができる大切な時間であると僕は信じている。
すっかり目が覚めた僕は、明日店内入り口に施工するフカフカのココナッツヤシのカーペットの妄想で余計に眠れなくなってしまった。妄想からリアルへ。
はやく、朝にならないかなあ、、。


12/7 椅子
オリジナルの椅子である。注文があったので、余分に製作した。
椅子を製作する場合、1脚ではさすがに効率が悪くコストがかかりすぎてしまうので、ある程度の数をまとめて製作している。最低でも4脚、時間がある時は12脚程度を一度に製作している。
いい椅子ができたとしても、あまりにも価格が高すぎて物とのバランスが合わないと、何気ない普通の生活に取り入れてもらえないので、製作努力をしている。作り手の僕らが、「椅子を作っているんだ」っていう実感を持ちながら取り組むには、効率だけを優先してしまうと訳のわからない事になってしまうので、必要以上の数を作る気はない。

自分が使っている3年前に製作したこのタイプの椅子と、新しく出来上がった物を見比べるとおもしろい。
簡単に言えば、古い物は使い込まれた艶がある。驚く程だ。前にも書いたが、僕の使っているカンナはピカピカだ。透明感のある艶である。
こればっかりは、工房で作る事ができない部分である。
その質感を作ろうとした事もあるが、嘘くさすぎて嫌になった。
結局はちゃんと作って、使うしかないのだ。
くどくなるが、この自然に磨き込まれていった艶は、作り手が作ったものではなく、使い手が何気ない毎日の生活を過ごす中で、作られていくものなのだ。時間が違う。無意識なだけに凄すぎる。


12/6 家具
お店のオープンに向け、展示用の家具もだんだん完成して来ている。新作のイージーチェア(一人用、3人用)、ダイニングテーブル2種類、ロウテーブルなどはオープンを待っているような状況になりそうだ。
新作でチェストとカップボードをと考えているが、悩んでいる。
言うまでもないが、hwbは家具屋である。当たり前のように、無垢の木ばかりを素材にして家具を作っている。
木を使う以上、基本となる事なので、今さら大きく言わない。
一つの家具のスタイルが出来上がるまでには、ものすごい労力が必要となる。きりがない程考える事は多く、最終的な形に行き着く迄は必死である。出来上がってしまえば何の違和感もなく、「そうそう」といった具合に簡単に出来上がったものに感じる程だが、そうではない。ちょうどよいバランスにするのが難しいところなんだろう。
あきらめたくないので、粘っている。自信を持って「これはいいですよ」と言うのは、嘘では言えない事だ。
永く付き合える家具であって欲しい。そこが僕を悩まし、使命感を与えてくれる。
10年後、20年後、30年後に「これはいいよ」と声が聞こえるように、今作る物に先がある事に重きを置いた。

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