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10/30 ありかとうございました |
先週の25日に、僕が修行をさせてもらった大橋&パートナーズデザイン工房の大橋さんがお亡くなりになった。突然の出来事で、誰もが信じられなかっただろう。 僕は、よく怒られた。仕事上はもちろんの事、僕の作る御飯(食事を自分達で作っていた)の味や健康管理に至までありとあらゆる事を注意された。普段の生活こそが大事だと。今思えばホントそう思う。毎日、同じ事のくりかえしのようだが、それを、きちんとしていく事がどれだけ難しい事か。まだまだ若造だった僕は、勢いとやる気が空回りして、失敗する事や、急いで答えを見つけようとして、深く考えない事もあった。でも、工房で生活し経験した事が後に、この僕を大きく成長させてくれたような気がする。ある意味工房での生活は、ゆっくりとしたものであった。静かで、ゆっくりと、、。ボブディランのギターを弾く音が妙にだぶる。 ある晩、仕事も終わり、いつもように外に出たら、外が異様に明るいのに気づく事があった。夜中だったし、風の音が聞こえそうなぐらい静かだった。街路灯もないので、普段なら車のカギ穴を見つけるのに、ライターを明かりにしていたくらい真っ暗だった。 でも、その日は違った。歩く自分の足もくっきり見えた。あれっ?て思って空を見たら、満天の星と真ん丸の月が。「すげえーなあー」「何だかすげえなあー」って。降ってきそうな程の星と妙に大きく感じた月がこんなにも明かるいなんて、気がつかなかったよ。しかも、普通に気がついた事が、すごくうれしかった。工房のまわりは何もない、あるのはただただ自然。何もない、。何もないからこそ、いろんな事に気が付けたんだろう。五感が鋭くなって、風の音や、空気の臭い、空の色、秋刀魚の味、そして、カンナの刃研ぎの微妙な感覚。なんだ、僕の生きていた世界はこんなんだったのかって。じゃ、この世界でどうやって生きていこうかって。素直に、自分の生きる道を見つけれたような。 大橋さんとは、工房を離れてから一度も会っていない。展示会の案内や、年賀状やらの近況報告を手紙でしていただけだった。 こんな形で再会するとは、思ってもみなかった。会って「おー、お前も少しはしっかりしたなー」なんていってもらいたかったなあ。ぺらぺらでわたのようなカンナくずも保管してたのに。でも、目をつぶって寝ている大橋さんは、なんとなく僕を認めてくれていたような気がした。いや、本当は最初から認めてくれていたんだろう、だから、怒ってくれたんだろう。 駆け付けた先輩達と、大橋さん、そして、静かなのに活気を感じる工房の中でいろんな事を振り返った。 『心、技、体』 大橋さんはよく言っていた。 心から思う、生活こそ大切だと。そんな事を教えてくれた大橋さんに感謝します。どうぞ、安らかにお眠り下さい。 本当に、ありがとうございました。 |
10/20 分身したい気分です。 | ||||||
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10/19 秋ですな | |||||
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10/11 だんどり |
食器棚、さすが、部材ができていただけあって明日組めれる。箱もの場合、内部の塗装は組む前に行う。特に、着色する場合組んだ後だと、すみの方がむらになりやすいし、作業的に楽という事もあって、そうするのである。 一般にラッカーやウレタンを吹き付けて塗装する場合は、組んだ後に行う。もっとも、塗装という行程がホコリを嫌うという事や、塗装屋さんに塗ってもらうような場合は、完成した家具でないと高率が悪いという事があるけどね。 H.W.Bの家具は、オイルフィニッシュが大半なので、少し行程が違うのかもしれないなあ。 で、寝る前に塗装をして、明日になればベタ付かない程度に乾いているので、組めるというダンドリである。 しかし、ここまで来るのが長かった。全部、板組の家具なので、天板やら側板、裏板やら棚板、引き出しの底板やら扉の鏡板、、。 一気に全部の板作り終えてから作ってきているからだ。最終的には高率はいいのだが、家具としての形にならない事には進んでいる感じがしなくて気分的にぱっとしない。 簡単に板と言ってしまえばそれまでなのだが、板にするのが結構大変で時間のかかる作業なのだ。 幅150mm前後のガタガタの板を何枚も接着剤で付けて600mm程度の幅にする。しかも平らに。これが、ベニヤの家具だと簡単だ。表面になるベニヤと裏面になるベニヤの間に心材となる木や紙でできたペーパーコアとよばれるものなどを間に挟んでプレス。で、切った断面が心材などむき出しになるので、そこだけ隠すように向く材を貼る。で板となる。 純粋な無垢材の板を作ろうとするとこんな簡単にはいかない。道具だって違うし、作業がまったく違う。手間がかかる。材料だって、中まで全部木なわけだからたくさんいる。だから、ベニヤの家具より高価になってしまう。それでも、僕らは無垢材の素晴らしさを知っているのでベニヤは何かの意図がある場合以外は使わない。 だって、耐久性が違うでしょ。ベニヤにいくら強い塗装をしても、いつかは矧がれる。そして、表面の綺麗な木目はも剥がれ、その下の心材やらが出てきて、ボロボロになってしまう。もちろん10年やそこらではならないが、それだけの時間があれば無垢材ならば、ボロボロになるどころか磨きがかかり新品の時以上の味が出て風格さえ出ているだろう。 そういった事を知っているからこそ、安易にベニヤを使わないのだ。 長く使える事、そして時間を重ね蓄積できるようタフである事。それが、僕らの提案するこれからの新しい家具であると同時に、古い時代に普通にあった気持のよい家具なのである。 話しが飛躍していったが、板を作るだけでも結構奥が深い話なのだ。 |
10/9 SUS |
ステンレス(SUS)の素材もいろいろあって、磁石が付くものと付かないものがあるのって知ってた?要するに、純度の差からそうなる訳。磁石が付かないものの方が高価である。そりゃあそうだ。より、錆びにくいって事になるし。 で、今日、板金屋さんに木枠を出しにいった。家具との寸法の兼合いがあるので、下地寸法は、かなり細かく正確に出す事となった。これで、ひとまずステンレス関係の家具は一段落。ようやく、食器棚の加工に入る事ができる。といっても既に各部分のパーツとなる板は出来上がっているので、いきなり組み立ての加工となり、気分的には先が見えている。 |
10/1 ガラスの扉 |
キッチンの仕事をやっています。ガラスのスライド扉の収納カウンターから進めているわけで、とりあえずこのカウンターは、ほぼ完成した。ガラスの扉もはまり、他の家具が出来上がるまで、隅の方で保管。で、ワゴンや、食器棚の製作に入っている。 |
10月です。 | |||
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